《ブラジル》グランドセイコーがブラジル上陸=日本の超高級時計ブランド
日本時計メーカーの超高級ブランド「グランドセイコー」がブラジルに進出し、首都ブラジリアの高級時計専門店「Pedrart」で販売を開始した。価格帯は約4万7千レアル(約125万円)で、ロレックスやオメガと競合する。19日付イザミなどが報じた。 1960年12月、長野県の諏訪精工舎から初代グランドセイコーが発売された。老舗時計メーカー「セイコー」は、スイス製高級腕時計に対抗するブランドとして同ブランドを設立し、2017年に独立させた。同ブランドの全コレクションが9月から伯国で入手可能となった。 現在、同社のモデルはブラジリアの一店舗でのみ購入可能だが、セイコー・パナマの田中文夫社長は、ブラジル市場の重要性を認識し、今後の成長を見据えた計画があると述べた。10日に行われた販売開始セレモニーで、田中氏は「ブラジルは中南米で最大の人口と経済規模を誇る。ブランドとして機会を優先するのは当然のことで、ようやく適切なパートナーを見つけた。我々は今メキシコ、パナマ、ブラジルで展開しており、ここにもっと集中し、良好な評価を確立したい」と語った。 同社は2010年からグローバル展開を開始。ブランドは徐々に、東アジアや西欧、米国での認知度を高め、20年には米国市場においてロレックス、オメガ、ブライトリングに次ぐ第4位の市場シェアを獲得した。 田中氏は「ブラジルは多民族国家であり、様々な文化や価値を尊重する国だ。したがってブラジルの時計ファンは、欧州以外の高級時計の価値を認めることに寛容だと考えている。このブランドは日本や米国を除いてはまだあまり知られていないが、我々は真の国際的なラグジュアリーブランドへと昇華させたい」と述べた。 田中氏によれば、グランドセイコーの特徴は、純粋な日本性であり、文化に根ざした独自の美的デザインと、品質や工芸精神に基づいたエンジニアリング哲学が反映されているとのことだ。 グランドセイコーの特徴の一つに、垂直統合型のビジネスモデルを挙げ、欧州の多くの高級時計ブランドが部品の製造を外注しているのに対し、同社はすべてのムーブメント(腕時計の駆動をつかさどる部分)を内部で設計し、組立てていることを強調。これにより機械式、クォーツ式、スプリングドライブ式の三つの異なるメカニズムを持つムーブメントを展開できるという。 田中氏は「グランドセイコーの真の価値は、製品を見て触れて初めて実感できる」とし、「我々は最初の一歩を踏み出したに過ぎない。顧客のニーズに応じて、さらなる店舗を展開することを目指している」と強調した。公式HPは(https://www.grand-seiko.com/)から。