返済中の住宅ローン金利引き上げへのカウントダウンは始まっている! 銀行員が予想するシナリオとは
金利上昇と住宅ローンに関するニュースやネット記事が増え、住宅ローン、特に変動金利を返済中の人は(私もそうです)不安が募っている状況だと思います。本記事では、実際に住宅ローン金利が上がる時、過去の事例から予想する動きと、返済困難になった人へのセーフティーネットなどを現役銀行員が解説します。(金融ライター・加藤隆二、現役銀行員) 変動金利はどうなる? 大手シンクタンクの短期金利予想を、一挙公開 目次返済中の住宅ローン金利引き上げへのカウントダウンは始まっている?返済中の住宅ローン金利が引き上げられる時のシナリオを予想返済中の住宅ローン金利が上がったら、返済のリスケは良い手段か?銀行員としての希望~ローン返済が困難になった人への対応まとめ
返済中の住宅ローン金利引き上げへのカウントダウンは始まっている?
2024年6月の時点で、返済中の変動金利を引き上げた銀行はありません。また、私が勤務する銀行でも、現在のところ具体的に金利引き上げなどの指示はなく、無風状態が続いています(「金利が上昇することになった場合に、顧客にはこうやって説明しろ(納得させろ)」といった説明マニュアルは大昔からあるのですが)。 しかしながら、銀行の現場では、住宅ローン金利(特に変動金利)が「いつ上がるのか」という疑問よりも、すでに上昇する方向へ進みつつあるのではないか、といった空気を感じています(このあたり「なんとなく感じる」といったもので、うまく表現できないのですが)。 私の以前の記事「銀行員が考える、住宅ローン金利引き上げシミュレーション! その時、顧客は選別される」では、返済中の住宅ローン(変動金利)の引き上げまでのタイムラインとして、以下のように解説しました。 (1)金利引き上げの公表 (2)銀行内部の体制や準備 (3)金利引き上げの交渉と借り換えへの防御 では、現在はどうなっているのでしょうか? 住信SBIネット銀行など、一部の銀行が「(1)金利引き上げの公表」をしており、金利引き上げのカウントダウンはもう始まっています。 金利引き上げになった場合に、住宅ローン返済額も増えることを銀行の公式HPでも説明しています。(参考1) 参考1 円預金およびローン店頭表示金利の改定について|株式会社イオン銀行 【住宅ローン】短期プライムレートに関するよくある質問 (筆者前略) Q.今回の短期プライムレートによる変更は基準金利でよいですか、また引き下げ幅の変更はないですか。 A.基準金利が変更になります。 引き下げ幅は融資実行時にお客様ごとに決定しており、原則変更しません。 Q.月々の住宅ローンの返済額は変更になりますか。 A.変動金利・元利均等払にてお借入れいただいている場合、お借入れ後5回目の10月1日を基準日とする金利の見直し時に前回の返済額の125%を限度に見直しします。(以降、5年ごとに金利の見直しにあわせ、前回の返済額の125%を限度として返済額を見直します。) (筆者後略) 短期プライムレート | NEOBANK 住信SBIネット銀行