子育てにイライラ「叱らずに」済むテクニック 石田勝紀×天野ひかり「子育て」対談ー後編ー
いくら言葉かけをがんばろうとしても、根本的な問題を解決しないと難しい。自分ががんばりすぎていないか、イライラの原因と向き合って解消し、フラットな状態で子どもと向き合えるようにすることが大切ですね。 2つ目は、子どもの視点に立つこと。 具体的には、オウム返しと実況中継です。オウム返しは、子どもが「やだ」と言ったら、「やだね」と同じ言葉を返す。 「もうあの子のこと無視するんだ」と言われたら、「そんなことやめなさい!」とか言いそうになるけれど「無視するんだね」とだけ返す。そうすると子どもはピンポンの壁打ちのように自分の言葉を客観的に聞いて冷静になれます。
もう1つは、子どもの行動を実況中継すること。ゲームをしていたらイライラするけれども、まずは「ゲームしてるんだね」とだけ言います。そう言われると子どもって、あ、今自分はゲームしてるんだって思うんですよ。 ゲームばかりしてて、親としてはもうやめなさいって言いたい。で、1時間たつとイライラして「いつまでゲームやってるの!」って叱ってしまう。でも実は、子どもは「ゲームしてるね」って言われていないので、突然お母さんに怒られたと思うんです。
だけど最初に「今日はゲームしてるんだね」って言っておくと、子どもは自分の行動を意識するようになります。30分後、1時間後と声かけをすることで、子どもは自発的に行動を変えていくようになるんです。ぜひ黙認せずに「実況中継」してみてください。 ■まずは親自身のイライラをなくす 石田:なるほど。これは実は1つ目の「イライラしてしまう本当の原因を探る」が重要ですね。イライラの原因を解消できれば、優しく「ゲームやってるんだね」と言えるはず。
イライラしているとつい「ゲームやってるんだね!」と厳しく言ってしまいそう。机をトントン叩いたり。 天野:怖い。自分がされてもイヤですもんね。 石田:優しく言うためにも、まずは親自身のイライラをなくすことが大切ですね。親としては「しょっちゅう言っている」つもりでも、子どもからすれば違うんですよね。 天野:そうですね。ゲームそのもので子どもの頭が悪くなるわけではないことはアメリカの研究でも結果が出ていますので、ゲームをすること自体を悪いと決めつけないことからスタートしたいですね。