なんと「加齢」どころか「老化による倦怠感」も劇的に変化…50代からでも「若返る」自律神経の超シンプルな整え方
自律神経のトータルパワーアップの要 #02腸
年齢とともに衰える自律神経のトータルパワーをアップさせるため、肺と同じくらい意識したいのが「腸」です。自律神経と腸は互いに影響し合っているので、どちらかが乱れると、もう片方も調子を崩してしまうという相関関係にあります。 緊張した場面でおなかが痛くなったこと、ありませんか? ストレスで便秘になったり下痢になったりするのも、自律神経が関わっているからです。 腸には1億個以上の神経細胞があるとされ、自律神経は腸のぜん動運動をコントロール しています。交感神経が優位なときはぜん動運動が停滞し、副交感神経が優位なときはぜん動運動が活性化します。 ぜん動運動が活発だと、腸壁で栄養素がしっかり吸収され、残りは便となって排出されます。つまり副交感神経が優位なときは、排便のリズムが整うということです。 日々の排便の状態は腸内環境のバロメーターともいえます。これを自律神経の視点からいえば、腸内環境をよくするためには、副交感神経が高い状態が理想ということです。 また、腸には幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」のもとが存在し、腸内細菌との協働作業でセロトニンがつくられます。腸内環境を良好にしておくと、メンタルを安定させるのに役立つセロトニンがたくさん分泌されるので、心身が安定しポジティブな気分で過ごせるというわけです。 反対に腸内環境が悪くなると、便秘や下痢になるだけでなく、セロトニンがつくられにくくなり、メンタルにも悪影響が及ぶと考えられます。 さらに、悪玉菌の出す毒素は、腸で吸収されて血流で全身を巡るため、免疫力が低下したり、肌の調子が悪くなったり、アレルギーの発症にも影響したり……と、不調の原因にもなります。 常に良好な腸内環境を保つよう心がけることは大切です。ちなみに、「ゆっくり深い呼吸」をすれば、自律神経が整うので、腸にもよい影響があります。 …つづく<放置すると「命が縮む」可能性も…!じつは怖い50代からの「自律神経の衰え」を改善する、もっともシンプルな方法>では、自律神経と老化の関係性について解説しています。
小林 弘幸(順天堂大学医学部教授・日本スポーツ協会公認スポーツドクター)