デジタル化進まぬ「博物館」 学芸員に専門人材少なく
これまで明治~昭和期の奈良を撮影した写真などの資料群のデジタルアーカイブ化に取り組んできたが、背景の看板や街並み、公園に植えられた樹木の特徴などさまざまな発見があった。
「デジタル」というと情報学系のイメージが強く、文系の学生には苦手意識を持つ人もいるが、機器やシステムの発達で簡単な操作で使えるものも増えている。理系でなければ扱えないという意識は変えていく必要があるだろう。デジタルアーカイブ化した資料の活用段階では、言葉や文化、歴史に強い文系学生の活躍が期待できるはずだ。
国や自治体では博物館や図書館への予算が削減される傾向にあるが、デジタルアーカイブの推進には一定の事業費が必要となる。予算に加え、文理をドッキングさせる施策の加速化にも力を入れてほしい。