中野の再開発タワマンは1.4億円台!注目物件や在庫状況など最新マンション市況を不動産アナリストが解説【2024年5月版】
マンション価格上昇が止まらない。2023年度の首都圏新築マンションの平均価格は7,566万円。平均価格は、3期連続のアップで、㎡単価は12期連続のアップとなる。また、中古マンション価格も上昇トレンドが続いており、2023年度首都圏中古マンション成約価格は11年連続上昇の4,700万円だ。今回も、2024年3月度の首都圏新築・中古マンション市況を解説し、注目のマンションを紹介する。(不動産アナリスト・岡本郁雄) 【傾向を分析】新築マンションを値引きする会社は?
2023年度の首都圏新築・中古マンション市場
2023年度の首都圏新築分譲マンションの発売戸数は、前年度よりも6.4%減少の2万6,798戸。2年連続の3万戸割れとなった。また、平均価格は7,566万円で前期比よりも659万円アップ。㎡単価は、11.2万円上昇の115.1万円でこちらは、10.8%の上昇となった。 初月契約率は、69.9%となり好不調の目安とされる70%近辺で推移。価格上昇にもかかわらず、堅調な売れ行きが続く。 価格の上昇は、都心での大規模・高額物件の供給に加え、施工費や用地費の高騰などによるもの。エリア別では、東京23区が10,464万円で5.7%の上昇。東京都下が5,375万円、神奈川県6,145万円、埼玉県4,890万円、千葉県5,067万円。埼玉県以外の地域で価格が上昇している。中でも、直近3年間の東京都区部の上昇が目立つ。 この1年間で為替相場は、大きく円安に振れた。2023年3月31日に132円台だったドル-円相場は、2024年3月31日には、151円台に。2024年4月24日時点では、1990年6月以来の約34年ぶりとなる155円台に上昇している。 円安は、海外客から見た日本の物価を押し下げる。日本政府観光局発表の訪日外客数(推計値)は、3,081,600人となり前年同月比で69.5%増。単月として初めて300万人を超えた。 円が安くなったのは、対ドルだけではない。コロナ禍前の2020年1月度に1元に対し15円台だった元-円レートは、2024年4月には、21円台に。約3割も元に対して下落している。 ここ数年、首都圏都心部のマンション売買市場で外国人の存在感が増しているが、ほとんどの通貨に対して弱くなった円レートも大きな要因として考えられる。2019年度の東京23区の新築マンション平均価格は7,400万円。2023年度は1億464万円で実に4割超も上昇している。 しかし、ドル換算(2020年1月は、おおよそ110円台)で考えると、約4割も円が下落しており、マンション価格はほぼ横ばい。海外から注目されるもの当然だろう。 コロナ禍によって2020年以降の訪日外客数は、激減していた。2023年以降は、韓国、中国、台湾、香港といった2019年に約7割のシェアを占めていた東アジアの訪日客が回復。4つの地域だけで、2023年の訪日外客数は、1570万人にも上る。 円安効果もあり、自国より安く価格も上昇基調にある東京都心のマンションに関心が集まるのも当然だろう。 中古市場にもインバウンドの影響があり、外国人富裕層が好む千代田区、港区、新宿区といった都心の中古マンションも上昇基調が続いている。東日本不動産流通機構発表の「首都圏不動産流通市場の動向(2023年度)」によれば、2023年度における首都圏中古マンションの成約件数は、36,595件で2年ぶりに前年度を上回った。 成約物件の平均単価㎡は、7.5%上昇の73.67万円で、11年連続の上昇。11年間で実に91.8%も上昇している。2024年3月度の都心3区(千代田区・港区・中央区)の成約㎡単価は、177.16万円で、前年同月比では、17.5%の大幅アップだ。 日本銀行は、マイナス金利を解除し17年ぶりに政策金利を引き上げたが、日米欧の金利差は、依然として大きい。円安は、外国人から見た不動産価格を抑えるだけでなく、輸入物価を押し上げ建築費の上昇にもつながる。都心マンション価格の高止まりは、まだまだ続きそうだ。