王者・武居由樹がWBO世界バンタム級初防衛に成功! 比嘉大吾との日本人対決は判定決着も、壮絶な打ち合いに会場熱狂
プロボクシングのWBO世界バンタム級王者の武居由樹(大橋)が9月3日、東京・有明アリーナで同級1位の元WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(志成)と初の防衛戦を行ない、武居が判定勝ち(3-0)を収めタイトル防衛に成功。これで10戦10勝(8KO)と、破竹の連勝街道は止まらない。 【画像】井上尚弥とドヘニーが一発クリア!緊張感漂う前日計量の一部始終を特別公開! 注目の日本人対決は28歳のチャンピオンに軍配が上がった。1回はお互い距離をとって牽制しつつ、比嘉が武居の懐に飛び込み、左フックが顔面をかすめる。2回には比嘉の左パンチに武居がグラつく場面もあったが、そのあと王者の左アッパーがヒットし、2分過ぎにも武居の左アッパーから右フックが決まる。 両者の激しいパンチの応酬は続く。武居が左アッパーを繰り出せば、比嘉が左フックを返す。中盤の打ち合いでは比嘉の左フックがヒットし、武居は遠い距離から強いワンツー、左アッパーを決める。 終盤の9回には激しい打撃戦に突入する。武居をロープに押し込んで比嘉が左右フックを乱打する。武居もアッパーで返すが、壮絶な打ち合いは比嘉が押し切り、武居はロープ際で逃れられず。終了間際には比嘉の強烈な右フックを武居はもらい、スリップ気味に崩れてダウンをとられる。 このまま比嘉が有利かと思われたが、最終12ラウンドにダメージが蓄積した挑戦者の動きが急に鈍り、武居が猛ラッシュを仕掛ける。比嘉は手が出ずクリンチに逃げるが、王者は距離を詰めてパンチの手数をボディ、顔面へと浴びせてポイントを奪う。終了のゴングが鳴ると、両者は抱き合い互いの健闘を称えた。 日本人初のK-1王者&プロボクシングの世界王者となった武居。この日はダブル世界戦のセミファイナルを務め、メインには同じ大橋ジムで世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥が元IBF同級王者のテレンス・ジョン(TJ)・ドヘニー(アイルランド)と2度目の防衛戦に臨む。ひと足先に王座防衛に成功し、先輩に向けて強烈な援護となった。 取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
【関連記事】
- 統一戦の当日計量は実施せず。「だいぶ水を抜いた」ドヘニーの”リカバリー”に懸念も、井上尚弥は泰然自若「試合をやる楽しみ喜びが一番」
- 「仕上がりバッチリ」井上尚弥が9.3防衛戦の前日計量を一発パス。将来の”フェザー級転向”を見据え、さらなる進化を誓う「現状維持では止まってしまう」
- 井上尚弥、9.3ドヘニーとの防衛戦は「変わったボクシング」を示唆。ネリ戦での“プロ初ダウン”が「また強くなれた」
- 「簡単な試合にならない」9.3防衛戦の井上尚弥がSバンタム級を戦うなかで避けられない“難敵”ドヘニーを最大警戒「だからこそKOしたい」
- 「自分の中で納得する試合を」4団体統一王者・井上尚弥が9.3防衛戦に静かな闘志。一方、ドヘニーは宣戦布告「歴史を作るためにきた」