【ハイライト動画あり】スクラムで安心感。個々の強みも出した東洋大、3季目で流経大戦初勝利。
東洋大が地力を発揮したのは後半に入ってからだった。安定感のあったセットプレーが支えたプレーが多かった。 3分、PKで前に出た後、右展開。サインプレーで右に大きくボールを動かし、スピードのあるFB坂本琥珀がインゴールに入った。ラインアウトのクリーンキャッチが、その後の流れるようなプレーの発信源となった。
19分にPGで加点(20-19と逆転)した後、27 分にはCTB浅尾至音が勝ち越しのトライを挙げた。 相手キックをレシーブしたところから攻めた。自陣で右に展開。タッチライン際で攻め上がってパスを繋ぎ、最後は13番がトライラインを越えた。ゴールも決まり、27-19とリードした。
インジャリータイムに入って流経大が NO8ティシレリ・ロケティらの好走からトライを返すも、東洋大の勝利は動かなかった。 福永昇三監督は、「大一番で4年生が頑張ってくれた」と評価し、3人のフロントローについては、「優位に立っていたので任せました」と笑顔を見せた。
この試合には「リンク」をテーマに臨んだ。 ディフェンスで左右の人と繋がる。ピッチ上の15人だけでなく、スタンドから応援してくれるメンバーとも気持ちをひとつにして戦う。 試合後、全員で作った歓喜の輪にはチーム状態の良さが浮かんでいた。
敗れた流経大のシンクル蓮主将は、「後半に(プレッシャーを受けて)規律が乱れた。自滅というところがあり悔しい」と試合を振り返った。 しかし、若い選手たちの台頭によりポジション争いが激化。それがチーム力を高めていると話し、この先の成長に手応えを感じているようだった。
卒業でほとんどのフロントローが入れ替わったことで、スクラムに苦労している。 そこが改善すれば、個々のアタック力はさらに威力を増しそうだ。
田村一博