【プレミアプレーオフ】158cmの小柄なガンバ大阪MF石川隼「自分が流れを変えられるようなプレーを」
12月6日に行われた高円宮杯U-18サッカーリーグ2024プレミアリーグプレーオフ(参入戦)1回戦で、ガンバ大阪ユース(大阪)が高川学園(山口)を2-1で下し、プレミア昇格に王手をかけた。 【フォトギャラリー】ガンバ大阪ユース vs 高川学園 高川学園に同点に追いつかれ、嫌な雰囲気が漂う中、チームの熱を取り戻したのは、64分にピッチへと送り込まれた身長158cmの小柄なMF石川隼(3年・チェステレラ鹿児島フットボールクラブ出身)だ。石川はピッチを縦横無尽に走り回り、声を掛け続けることでチームを活気づけ、最終的にFW安藤陸登(3年)のゴールにつなげた。 「いつもスタメンではなく、後半から出る役割ですが、自分が出たらチームを変えられるという自信を持っています」(石川) 石川は鹿児島からセレクションでガンバ大阪ユースに加入した。「ガンバユースに入ったきっかけは、憧れの遠藤保仁選手(現ガンバ大阪トップチームコーチ)が当時ガンバにいたことです。遠藤選手を育てた監督が中学のチームにいて、小学校時代には遠藤塾にも通っていました。ガンバでプロになり、青黒のユニフォームを着たいという強い思いがありました」。セレクションには100人以上が参加するも、石川は両親からの励ましや支えもあり、見事にガンバ大阪ユースへの扉を開いた。 しかし、ガンバ大阪ユースでの挑戦は、決して平坦な道のりではなかった。3年生になるまではほとんど試合に出ることができず、多くの時間をBチームで過ごす日々が続いた。周囲の選手たちのレベルの高さに圧倒され、自信を失いかけることもあったという。「自分には無理かもしれないと思い、つらい時期もありましたが、前監督の仁さん(森下仁志氏:現東京ヴェルディトップチームコーチ)に連絡して励ましてもらっていました」と当時を振り返る。そんななか、3年生の夏にターニングポイントが訪れる。コーチの明神智和氏と佐野智之氏から「誰よりも練習に早く来て、ボールを蹴れ」とアドバイスを受け、石川はそれを実践。日々壁当てを繰り返す中で、技術が向上し、徐々に試合に起用されるようになっていったという。現在では、攻守の切り替えやスペースへの抜け出し、小柄ながらも鋭いドリブルを武器にする選手へと成長。「次は得点を取れる選手になりたい」と石川は新たな目標を掲げ、努力を続けている。 ガンバ大阪ユースでの最終戦に向けて「これまで支えてくれたサポーターや両親、僕を支えてくれた方たちのために、最後の試合では全力を注ぎたいです。途中から出場したら、負けていたら自分が流れを変えられるようなプレーをしたい」と意気込む。そして、大学進学後はガンバ帰還を目指す日々がスタートする。「技術がつき、小さくてもやれるという自信を持てるようになりました。これからも身体を鍛え、さらなる成長を目指していきます」と意欲を示す。 石川がガンバユースの一員として戦うラストマッチは8日13時30分キックオフ予定だ。 (文・写真=古部亮)