電気代0円、ガス・水道も節約!フジイチカコさんの”太陽光の生活”から学ぶ防災の知恵。
そのほか、飲料や生活用水は台所に並べた水筒などで1日4リットルを目安に使用する。 「なくなったら補充するというローリングストックで賄っています」。 なるほど、これなら無駄に蛇口の栓をひねることもないだろう。 「余計な排水を出さないことはエコにもつながります」
ヒント4|置き換える
いつも当たり前に使っているものを見直すところに節電のヒントがある。 やめた家電には穴を埋める代役が必要だ。たとえば、フジイさんは掃除機をやめて、箒とちりとりに置き換えた。
そして、染織作家という仕事柄、アイロンは必携品ではあるのだが。「物置で骨董品として眠っていた炭火アイロンに替えました」。 当初は文字どおり中に熾(おき)となった炭を入れて使用していたが、「部屋の空気が悪くなるので、今ではカセットコンロで面の部分を加熱して使うようにしています」。 さらに〝置き換える〞という発想は、使うものだけでなく肌に身につけるものにも及ぶ。 「素材選びが大切ということに気づきまして、たとえばシーツを麻に替えたら乾燥がすごく早い。脱水がいらないくらい」。 昨年の冬はインナーを綿からメリノウールにシフトしたら汚れにくく、洗濯の回数が減った。当たり前を見直すと意外な発見がある。
不便を逆手に自助を考える、節約は防災の考えに似ている。
5台のソーラーパネルを駆使して、フジイさんの電気代0円の太陽光生活は一見、磐石とも見えるが、決定的な弱点がある。「当たり前ですが、天気が悪いと手も足も出ないということです」。 梅雨時の天候は本当に苦しい。そんな不安定な生活の一助となっているのが、0円生活2年目に導入したバイク式の人力発電機である。
「電源をソーラーパネル以外にも持つという発想でバッテリー屋さんの試作を譲ってもらいました」。これを3分漕げば、小さなランプが1時間灯るくらいの電気を作ることが可能だ。
このバイクの登場で、フジイさんはフィットネスジムの会員をやめた。そして、電気代、ガス料金、ジム代を浮かせたお金で、なんと8年間で100万円を貯め、ヨーロッパ旅行に出かけたのだという。