【特集】殺害の動機は“ロマンス詐欺”か 裁判で明らかになった驚きの“事件の背景”… ブラジル国籍の妻を殺害したなどの罪で無期懲役判決のブラジル国籍の夫 三重・鈴鹿市
しかし、それにはある条件が付いていたといいます。 「マリエが6億円を送ってくれれば…という話だったんです」 これに対し、デメルソン被告は法廷ではマリエとはFXを通じての関係で、 口座に金を振り込んだのも投資だったと主張しました。 「典型的な今のロマンス詐欺の手口だよ」 SNSを使ったロマンス詐欺や投資詐欺を担当している警察の捜査関係者は断言しました。 ロマンス詐欺とはインターネット上で架空の人物に成りすまし、恋愛感情を抱いた被害者から金を騙し取るもの。最近では結婚資金を増やす事などを口実に、ニセの投資話に巻き込んで更に金を巻き上げる手口が主流になっているといいます。 三重県内だけでも2024年1月~11月、SNSを悪用したロマンス詐欺はわかっているだけで115件発生、8億円以上の被害が出ています。2023年年と比べて被害額は100倍以上。 中京テレビの取材に対し捜査関係者は驚きを隠せない様子で語りました。 「ロマンス詐欺が殺人の動機になったというのはこれまでに聞いたことない」 検察は法廷でデメルソン被告が事件当日、犯行を起こす直前に「マリエ」に送ったとされるSNSのメッセージを読み上げました。 『私たちが一緒になる努力をしている。』
そして、犯行から4日後には…。 『今、私(デメルソン被告)はあなた(マリエ)のためにフリーです。いつでもあなたが望む時に本当の結婚をするために。もう私たちの関係を正式なものにする事を妨げるものは何もありません』 判決で津地方裁判所は、デメルソン被告はマリエと結婚するために不仲だったロゼリさんがいなくなればいいと考えるようになったと結論付けました。 “ロマンス詐欺”が犯行のきっかけだったのでしょうか。 判決言い渡しの際、表情を変えることはなかったデメルソン被告。無期懲役判決の翌日に控訴しました。 なぜロゼリさんは殺害されなければならなかったのでしょうか。名古屋高裁で開かれる予定の控訴審の日程はまだ決まっていません。
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