【特集】殺害の動機は“ロマンス詐欺”か 裁判で明らかになった驚きの“事件の背景”… ブラジル国籍の妻を殺害したなどの罪で無期懲役判決のブラジル国籍の夫 三重・鈴鹿市
しかし、裁判で明らかになったのは…。 「亭主が朝から仕事に行くのに弁当も作らない女なんだな」 子どもが小学生になった頃、デメルソン被告は妻ロゼリさんにこんな言葉を投げつけるようになっていたといいます。一方、ロゼリさんも夫に対する不満を募らせていき、いつしか夫婦は家庭内別居のような状態になっていきました。
そして事件が起こる半年前、2022年11月にデメルソン被告はロゼリさんと激しい喧嘩をして警察が出動する騒ぎに。言い争いの末、ロゼリさんの荷物を手当たり次第、家の外に投げ捨てて彼女を家から追い出しました。 ロゼリさんはこの喧嘩をSNSに投稿していたのです。
妻に不満を募らせた夫が殺害したとみられた事件。 しかし、2024年9月に始まった裁判、検察側は冒頭陳述で驚きの事実を明らかに。 「デメルソン被告は『マリエ』と名乗る女性とインターネット上で知り合い、好意を寄せるようになった」 さらに、検察はその後の裁判でも。 デメルソン被告はアメリカに住んでいるというマリエの事を『私の愛する妻』と呼び、指定された口座に100万円以上の現金を振り込んでいたというのです。 同じく共犯として強盗殺人の罪で起訴されたルカス被告の被告人質問。(ルカス被告 一審懲役20年判決 控訴中) 「デメルソンはマリエと結婚したいからロゼリさんと離婚したいと言っていた」「マリエに対し恋…好きだったと思う」 デメルソン被告が「事件前、よくマリエについて話していた」と証言したのです。 「ロマンス詐欺では…」と疑念を抱いたルカス被告がデメルソン被告に忠告しても、聞く耳を持たなかったといいます。 「デメルソンは『マリエはちゃんとした人で連絡も取っている』と言って、話を聞いてもらえなかった。こんな話をするとデメルソンの声のトーンが上がって怒ったような感じになって…」
さらに、ルカス被告は事件の4日後にデメルソン被告から聞いた話としてこう証言しました。 「ロゼリと離婚するには(ブラジルの裁判所などに対する)手続きに金がかかるから、マリエと結婚するには殺すしかないと話していました」 デメルソン被告の長女で強盗殺人幇助の罪に問われたカオリ被告。(カオリ被告 一審懲役15年判決 控訴中) そのカオリ被告は被告人質問で 「父(デメルソン被告)から事件の報酬としてお金は全く受け取っていません」と話す一方…「父(デメルソン被告)からブラジルで良い暮らしができると聞いていました」
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