ビットコインマイナーのハット8、1億ドル相当のビットコインを購入──総保有量が10億ドルに
マイクロストラテジー(MicroStrategy)やマラ・ホールディングス(MARA Holdings)などに続き、ビットコイン(BTC)マイナーであるハット8(Hut 8)が公開市場でのビットコイン購入の引き金を引くことを決めた。 アメリカのフロリダ州マイアミを拠点とするハット8は19日の声明で、約990BTCを1枚あたり平均10万1710ドル(約1576万円、1ドル155円換算)で購入したと発表した。この最新の購入により、ハット8の準備金として保有されるビットコインの量は1万96BTCとなり、市場価値で約10億ドル(約1550億円)に達する。これにより、同社は企業のビットコイン保有量でトップ10に入ることになるという。
さらなるビットコイン購入の可能性も
ハット8は、オプション戦略や担保・売却などの戦略を通じてこの準備金を使用する計画だと声明で述べている。ハット8のアシャー・ジェヌート(Asher Genoot)CEOはCoinDeskに対し、同社は公開市場でのさらなるビットコイン購入に関して機会主義的になると述べた。 ジェヌートCEOは、「現在、市場は当社の戦略的準備金を認識し評価しており、これは効果的に当社の資本コストを下げ、財務状況を強化している。この市場力学が続く限り、当社はビットコイン準備金の拡大において機会主義的であり続ける」とコメントした。 今回の動きに先立ち、ハット8は今月新たに5億ドル(約775億円)のアット・ザ・マーケット株式発行プログラムを開始したと発表していた。当時、同社はこの資金からの収益の一部を、他の用途とともに公開市場でのビットコイン購入に使用するとしていた。
マイナーのビットコイン購入が続く
バランスシート(貸借対照表)上で保有するビットコインの量が最大の企業保有者であるマイクロストラテジーから、公開市場でのビットコイン購入のトレンドが始まった。マラ・ホールディングスが今年公開市場でビットコインを購入して以来、この行動がマイナーの間で顕著になった。直近では、同業のライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)が16日に平均価格10万1135ドル(約1567万円)で667BTCを購入した。 公開市場で大量のビットコインを購入することは、最近のビットコイン半減期後に業界が利益圧縮に直面している時期にマイナーが新たな資金調達の道を開く上で有益となった。先月、マラは10億ドル(約1550億円)の転換社債をゼロ金利で調達することができた。これは、投資家がビットコインへのエクスポージャーを提供する株式と引き換えに、債務から得られる利息収入を手放す意思があることを意味する。