<斎藤工>「海に眠るダイヤモンド」進平とリナがつむぐ絆 池田エライザとの撮影は「目線や表情で感情を表現するシーンが印象的」
--池田さんと共演してみていかがでしたか?
撮影現場で池田さんと塚原監督がよく話している姿を目にしました。池田さんご自身も「リナという役は、野木さんから私への挑戦状だと思う」と口にされていて、それほど真剣にシーンごとに魂を注いでいらっしゃっていることが伝わってきました。個人的には、セリフのないやり取りがなく、2人で海を見つめているような、目線や表情で感情を表現するシーンが印象に残っています。
--キャラクターのキュンポイントを作ることにこだわりがある新井順子プロデューサー。斎藤さんへのリクエストはありましたか?
新井プロデューサーとは監督陣以上に会話をしているのですが、いつも雑談ばかりでキュンポイントは言われたことはないですね(笑)。ただ新井さんを含めた制作陣の作品はこれまでも見てきたので、進平というキャラクターの方向性は感じ取っていて。ポジションで言うと「アンナチュラル」(2018年)の井浦新さんが演じる中堂系が近いのかもしれません。意識をしているわけではないのですが、進平もボサボサ髪なので(笑)。僕もキュンポイントのヒントがほしかったなぁ。塚原監督には、初回の撮影のときに「これで行こう! かわいい!」とビジュアルを褒めてもらい、その言葉で役の方向性が固まった感覚もありました。
--他のキャラクターにキュンとしたポイントは?
第4話で百合子にネックレスを渡してあげる賢将がめちゃくちゃ刺さりました。ああいった優しい寄り添い方はすてきですよね。鉄平や賢将みたいに、明るくてわかりやすいA面があるキャラクターのほうが、B面のコントラストが強くて突き刺さる。役柄の本質が見えたときにキュンとするんだと思います。
--ちなみに、作中でテンションが上がった設定はありますか?
第4話で出てきた精霊流しが、和尚を演じるさだまさしさんの「精霊流し」という曲を連想させたり、「キネカ大森」(東京・大森にある、街に唯一残った映画館)でチケットもぎりとして働く片桐はいりさんが、大森という役名で出演していたり。そういった細かい設定にも意味が込められていて、無意味なものが一つもないことに驚きました。こうした要素があるからこそ、視聴者の心にも深く響く作品になっているのだと思います。