はやぶさ2最後のミッション JAXA会見(全文2)今回の運用は世界初の事例
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、記者会見を開き、「はやぶさ2」の小惑星「リュウグウ」へのターゲットマーカー分離運用と、小型探査ロボ「MINERVA(ミネルバ)II-2」分離運用結果を説明した。 【動画】はやぶさ2最後のミッション 小惑星探査ロボの投下状況は? JAXAが会見 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「はやぶさ2最後のミッション 小惑星探査ロボの投下状況は? JAXAが会見(2019年10月28日)」に対応しております。 ◇ ◇
成果を最大化できた
吉川健人:また、通信のほうも、分離後はローバ2との通信リンクを探査機本体で確認していまして、それが緑色の線になります。一度ちょっと切れる、日陰に入るので切れるんですけど、また軌道の裏側で少し取れているということを確認しています。ローバ2との測距信号も確認できていますので、これを使って今後、より詳細な評価をしていくことで、先ほど言っていた高精度の重力場推定というのに今後使っていけるデータをローバ2運用でもしっかり確保することができたと考えています。 分離運用を通じて得られた成果のまとめということで最後に書かせていただいております。もともとは、このローバ2の運用の検討で、ローバ2の運用のみを実施するという話だったんですけれども、その中で降下を新しい方法で今回実施するということになって、その必要性が生じて、その機会を利用して、さらにターゲットマーカーを分離して重力場推定のデータをより多く集めようということで、結果として2つの運用を併せて重力場推定とローバーの到達、着陸という成果を最大化することができました。 また、今回の運用というのは世界初の小天体での複数の人工物を同時に衛星軌道に投入したという最初の事例になります。それも無事成功しました。さらに、地球外天体で世界最小の人工衛星軌道投入、これはターゲットマーカーがそれに相当するんですけど、これも成し遂げることができました。 今回、今までご説明させてもらったとおりで、ターゲットマーカーとローバ2を併せて複数の人工周回物を、光学観測や電波観測という異なる種類のデータを集めることで重力の推定のためのデータを取得することに成功いたしました。これらの重力推定手法というのは、今までやったことのない新しい手法なので、これをまずは実践して運用を成し遂げたということで、今後の解析に期待が持てると思っております。 私のほうからは以上になります。