“年収103万円の壁”は撤廃? 8兆円の減収に…財源どうする? 自民・国民 政策協議開始へ【Nスタ解説】
■「減税効果はお金持ちほど大きい」 低所得者への“給付”も必要か TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん: 確かに減税はありますが、減税効果はお金持ちほど大きいんですよね。 極端に言うと、税金を払っていない方、低所得の方には恩恵がないこともあって、必ずしも全体に恩恵が行き渡るというわけではないので、「給付」も考えていかないと「金持ち優遇」という批判を受けかねない政策なんですよね。 ホラン千秋キャスター: 低所得者の方に対しての「給付」も考えられているんですか? TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん: もちろんです。そこはセットでやらないと、収入の多い人だけというわけにいきませんから。 井上貴博キャスター: デフレ時代に作った「103万円の壁」をインフレ時代に変えることは当然として、この政策が出てきたと思います。 そもそも、高所得者層の方が有利だということは、いま出てきたような印象を受けますが、当初からわかっていたわけじゃないですか。 TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん: 控除額の底が上がってきます。そこで高い所得の方の課税対象が減ることによって、減税になるということです。なので、理論的にはわかっていたことですよね。 井上キャスター: 例えば、基礎控除額に所得額階層ごとに差をつけられたりできないんですか? TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん: 現在は累進性で、4000万円以上の人は45%払うなどになっています。 その45%を下げれば、その分を下げれば税金は払わなくて済みます。ただ、そうすると、さらに「金持ち優遇だ」ということになっていくと思います。 世界では、累進がもう少し厳しくなっていて、高所得の方にはもう少し高い税率をかけようという傾向です。残念ながら、お金持ちの人には、もう少し税金を払ってもらう、ということです。 井上キャスター: 低所得層に給付などの考え方になるわけですか? TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん: 給付をしないと、全体の生活水準は上がってこないことになります。そういう話し合いはこれからです。
========== <プロフィール> 星浩 さん TBSスペシャルコメンテーター 1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年
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