WRTとウインワードがマニクールで勝利を分け合い、2点差でスプリントカップ最終戦へ/GTWCヨーロッパ
8月23~25日にフランスのマニクール・サーキットで開催された、ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWS(GTWCヨーロッパ)第7戦。スプリント・カップの第4ラウンドとなった同イベントでは、土曜夜のレース1をチームWRTの32号車BMW M4 GT3が、翌日曜のレース2をウインワード・レーシング・チーム・マンフィルターの48号車メルセデスAMG GT3エボが制した。 【写真】レース後のタイムペナルティにより初優勝が幻となった96号車ポルシェ911 GT3 R(ルトロニック・レーシング) この週末にそれぞれ勝利を収めた、WRTのシャルル・ウィーツ/ドリス・ファントール組とウインワードのルーカス・アウアー/マーロ・エンゲル組は、わずか2ポイント差で最終戦を迎えることとなっている。 チームWRTのエースカーを駆るウィーツとファントールは、土曜日のオープングレースでトップチェッカーを受けた96号車ポルシェ911 GT3 R(ルトロニック・レーシング)が5秒加算ペナルティを受け取ったあと、2番手からの繰り上がって勝利を手にした。 土曜日の夜、暗闇の中で終了したレース1は、スヴェン・ミューラーとパトリック・ニーダーハウザーがドライブした96号車がトップでフィニッシュラインを通過し、32号車BMWが2.604秒おくれの2番手でチェッカーフラッグを受けた。レースの後半スティントを担当したニーダーハウザーは、チームメイトからステアリングを引き継いでまもなく1コーナーでウィーツのBMWをかわし、そのまま首位を守りきった。 これがポルシェにとって初のスプリント・カップ総合優勝になるかと思われたが、96号車にはアンセーフリリースの裁定が下る。これにより同車は32号車BMWと48号車メルセデスに次ぐ3位に後退することとなった。 エミル・フレイ・レーシングが走らせるフェラーリ296 GT3のペア、89号車と14号車は4位と5位でゴールし、これに続く総合6位でフィニッシュした88号車アウディR8 LMS GT3エボII(トレゾア・アテンプト・レーシング)がゴールドカップを制している。 明けた日曜のレース2は、チャンピオンシップの主役2台による直接対決に。一方、オープニングラップで接触に端を発すコースオフや単独クラッシュが発生したレースの主導権を握ったのは、ポールポジションからスタートを切った9号車メルセデスAMG GT3エボ(ブーツェンVDS)だった。 ジュール・グーノンから首位でマシンを引き継いだマキシミリアン・ゲーツは、それぞれ3番手、8番手からレースを開始した48号車メルセデスと32号車BMWに対して懸命のディフェンスを見せたが、同門の48号車に先行を許すと続けてBMWにもポジションを奪われてしまう。 最終戦を前に選手権ポイントのリードを拡げておきたい32号車のファントールは、前を走るアウアー駆るメルセデスAMGにプレッシャーをかけるも、最後は0.563秒及ばず2位フィニッシュ。対してウインワード・レーシングの48号車が今季3勝目をマークした。 ゲーツの9号車メルセデスは3位となり、ブーツェンVDSはブランズハッチ開幕戦以来の表彰台に返り咲いた。4位はゴールドカップで3連勝をマークした88号車アウディ、5位には159号車マクラーレン720S GT3エボ(ガレージ59)が続いている。 今大会終了後、スプリント・カップのドライバーズランキングで首位に立つファントール/ウィーツ組の獲得ポイントは101.5ポイントに。これを追いかけるエンゲル/アウアー組は99.5ポイントとなった。白熱するスプリント・カップのタイトル争いは、10月11~13日にスペインのカタロニア・サーキットで行われる今季最終戦(第5ラウンド)で決定することになる。 なおGTWCヨーロッパの次戦は、9月20~22日にイタリアのモンツァ・サーキットで開催される。このシーズン第8戦はエンデュランス・カップの第4ラウンドだ。 [オートスポーツweb 2024年08月28日]