【40代、50代・二十四節気の養生⑥】7月22日 夏の盛りの「大暑」は睡眠・休息がポイント!
冷房対策・疲れをためないことが養生のキーワード
「『冬病夏治(とうびょうかち)』という言葉をご存じでしょうか? これは冬に起きやすい病気を夏に予防するという意味。寒さでひどくなる冷え、肩こり、腰痛、関節痛、生理痛、喘息、胃腸の不調などは、夏の過ごし方次第で好転させることができます。 ところが、現代の日本では冷房により、こうした冬の不調が夏に起こる人が増えています。いわゆる冷房病です。屋外の猛暑と室内の寒さのギャップで体調をくずす人も多いので気をつけましょう」 またこの時期は、疲れをためないためにも、心のゆとりや十分な睡眠が重要だそう。 「睡眠の質が低下して、睡眠不足などから心も不安定になり不安感に襲われる人も。ギラギラする太陽とうだるような暑さでイライラする人もいます。 心にゆとりを持つことや十分な睡眠は心身の健康維持にとても大事。暑い日中の野外での労働を避けて、昼寝をすることは理にかなっています。仕事のある人も昼休みを利用して、短い昼寝をするのが理想。それが難しい場合には、せめて目をつむって目を休ませるようにしましょう。 冷房対策としてカーディガンなどの羽織るものは必須。特に首元と足元を温めるように心がけてください」 熱を冷ます食材は苦瓜(ゴーヤ)、冬瓜、ズッキーニ、なす、トマトなど。元気を補充する食材はうなぎ、枝豆、オクラ、山芋、とうもろこしなど。 「土用の丑の日にうなぎを食べる習慣は有名ですが、これは盛夏に滋養をつける食材としてとても効果的です。ほかにとうもろこしもおすすめ。 とうもろこしと枝豆をかき揚げにしたり、とうもろこしご飯もいいでしょう。丸ごとのとうもろこしの外皮を剥いて、こそげ落とした実と、芯とヒゲ(後で取り出しやすいようにお茶パックに入れる)をご飯と一緒に炊き込みます。おいしいだしが出るとともに、水分の巡りをよくしてくれます」
夏の土用の丑の日は黒いものか「う」がつくものを!
「夏の土用は有名ですが、土用は季節の変わり目である立春・立夏・立秋・立冬の前の約18日間を指すので、各季節にあります。いずれも季節の変わり目で体調をくずしやすいので、その時期に合った養生を心がけましょう」 ちなみに、2024年の夏の「土用の丑の日」は7月24日と8月5日の2回※ある。黒か「う」がつくものを食べるとよいとされているので、うなぎ以外にも、うどん、梅干し、黒豆などでもOK! ※丑の日は日付を十二支で数えて、丑の日にあたる日のこと。土用は18日間あるので、その年により18日間の間に2回丑の日があることもある。 また、2024年の秋の「土用の辰の日」は10月31日。青いものか「た」で始まる食べ物、例えば、サンマ(青魚)、ほうれん草、タコなどを。2025年の「冬の土用の未の日」は1月26日で、赤いものか「ひ」から始まる、ヒラメ、ひじきなどを。春の「土用の戌の日」は4月23日で、白いものか「い」から始まるもの、イワシ、イカ、いちごなどがいいそうだ。
【教えてくれたのは】 齋藤友香理さん 薬剤師・薬日本堂漢方スクール講師。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務め、多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら外部セミナーも担当し、漢方を学ぶ楽しさを広めている。また「養生を指導できる人材」の社員育成、『薬日本堂のおうち漢方365日』『薬膳・漢方検定 公式テキスト』など、書籍監修にも多く携わっている。 イラスト/河村ふうこ 取材・原文/山村浩子