地震時は机の下ではなく、玄関でプロポーズ姿勢!専門家が唱える“防災”の新常識5選
23年間、消防士・レスキュー隊として経験を積み、日本で唯一の「防災家」として講演やメディア出演など、多方面で活躍する野村功次郎さん。 ▶︎すべての写真を見る
今回は、そんな野村さんに現代の防災知識をアップデートしてもらう。
1. 地震が来たら、テーブルの下……ではなく玄関へ!
「地震が来たら机やテーブルの下に潜り込む」というのは、学校の防災訓練でも教えられ、防災ブックなどのイラストにも描かれている。 しかし、自宅で大きな揺れを感じたときは、いち目散で「玄関」へ行くのが最善だという。
「築年数にもよりますが、自宅の中でいちばん被害が出にくいのは玄関です。咄嗟のときに外へ出られますし、頭上に落ちてくる大きな照明や荷物などもないでしょう。 リビングなどにある横開きの窓は枠が歪むと開かなくなるけど、日本の家屋なら玄関のドアは大抵外開きなので、押せば出られるんです。でも、もし古い家屋にいる場合は、すぐに外へ逃げたほうがいいですね」(野村功次郎さん、以下同)。
「ちなみに『地震が来たらまず火を消す』というのも、現在だったら”最優先”ではないんです。もちろん目の前で消せるなら、それに越したことはないけど、最近はコンロや暖房器具なども揺れを感じると火が消える機能が普及していますよね。揺れている間に『火を消さなくちゃ』と移動するよりは、まず身の安全を第一に出口へ向かった方がいい」。 普段使っている火のもとに停止機能が備わっているかどうかも確認しておこう。また、非常用持ち出し袋は、玄関に置いておくのが良さそうだ。
2. 守りの姿勢は、ノムラ式プロポーズ姿勢で!
地震が起きた際の受け身として、どんな格好を思い浮かべるだろうか?
「皆さん、こんな姿勢になるんじゃないかな。でも、これってすごく非効率だし危険なんです。両足を揃えてかがんだら、いざというときにすぐ逃げ出せないし、手で頭を覆って下向きになると視野が狭くなるから瞬時に状況を把握できない」。 では、どんな姿勢が良いのだろう?
「僕がおすすめするのは、片膝立ちになり、手は”グー”で後頭部を守る姿勢。これであれば、視野も確保できます。それにクラウチングスタートの“位置について”のような体勢だから、その場が危ないと思ったときは勢い良く踏み出せるんです」。