「あのクズ」最終回目前! 戸村光来Pが語る見どころと制作秘話
TBS系では、奈緒主演の火曜ドラマ「あのクズを殴ってやりたいんだ」(毎週火曜午後10:00)を放送中。今作は、完全オリジナルで描かれる“クズきゅん♡ボクシングラブコメディー”だ。 恋もボクシングも本気で向き合う主人公・佐藤ほこ美(奈緒)は、真面目で真っすぐな性格の29歳。結婚式当日に彼氏に逃げられ、人生どん底のタイミングで金髪の謎の男・葛谷海里(玉森裕太/Kis-My-Ft2)に出会う。それをきっかけに「もうクズな男に泣かされるのは嫌だ!」と、自分を変えるためにボクシングを始めるストーリーだ。 12月10日放送の最終回を前に、本作の企画・プロデュースを務める入社6年目のTBSテレビ・戸村光来プロデューサーに話を聞いた。
奈緒さんはどの役も親しみやすく、リアリティーがある
――従来のラブストーリーと異なり、ヒロインがボクサーを目指すという設定が印象的です。令和らしい感覚を意識されたのでしょうか? 「まさにその通りです。男性が主役で女性が応援するという物語はこれまでも描かれてきましたが、今回はカッコいい女性像を中心に据えた新しい挑戦を意識しました。男性ボクサーの場合、友情や勝利、厳しい練習風景が描かれることが多いですが、女性ボクサーでは家族や周囲の支え、強くなる中でも恋愛を絡めた物語が可能だと感じました。これまで見たことのない、新しい魅力を真ん中に持ってきたというところです」 ――ほこ美は当初、何もかもうまくいかないキャラクターでしたね。最初の設定のギャップについては? 「ボクシングを通じて変化していく姿を見せたい部分があって、はじめはどん底から立ち上がることがドラマとして盛り上がっていけるかなと。奈緒さんと話していたのは、ラブストーリーではノイズを除去してきれいな世界観が描かれることが多いですますが、今回は鼻血や人間らしい汗や涙、泥臭さを描くことを思い切って挑戦してみようということでした」
――企画段階から奈緒さんの起用を考えていたそうですね。 「ほこ美は観客に応援される主人公でありつつ、身近さを感じるキャラクターであってほしいと思いました。奈緒さんが演じるキャラクターは、どれも親しみやすく、同じ世界に生きているようなリアリティーを感じます。また、キャスティングのタイミングで奈緒さんが出演されていた『春になったら』(2024年/フジテレビ系)を拝見した時、心(しん)の強さを感じて、ほこ美の強さと繊細さにぴったりだと確信しました」 ――現場での奈緒さんの印象はいかがでしたか? 「まさに“太陽”のような存在です。常に明るく笑顔で、笑い声も大きくて現場を和やかにしてくれました。初共演者やスタッフ一人一人の名前を覚えて声を掛ける姿勢が特に印象的で、僕も含めて初めてのポジションに就くスタッフたちにも優しく接していました。現場が楽しいものだと伝えたいとおっしゃっていて、それが太陽みたいと言われるところなのかなと。それでいて、お芝居はすごいので、本当に素晴らしい方だという印象です」