石破首相はなぜ「ウケない」「新味のない」政策を唱え続けるのか 日本消滅の危機とは
地方からの革命を
株価が上がったのはいいことです。しかし、日経平均株価は東証1部上場の約2000社のうち、わずか225社を抽出したものに過ぎません。もちろん、ある程度は上場している企業全体の業績を反映しているでしょうが、全てではありません。ましてや、日本の雇用の7割を占める中小企業の状況を示しているわけではない。だからこそ「実感が無い」という国民が数多くいるのです だとすれば、やはり私たちはそろそろ次のことを前提とすべきなのです。 国主導の金融政策、財政出動のみで地方が甦ることはない。 地方が甦ることなくして、日本が甦ることはない。 本気で日本を甦らせるためには、新しい動きを地方から起こさなくてはならない。 地方から革命を起こさずして、日本が変わることはない。 これは決して勇ましいスローガンでもなければ、夢物語でもありません。 明治維新は地方の志士たちによって成就したのであって、江戸幕府の成し遂げたものではありません。戦後の日本は、アメリカによって大きく変わりましたが、それ以外の歴史を見た場合には、大きな動きは地方から始まっていることのほうが多いのです。 だから、地方から国を変えていくというのは、決して現実味のない話ではありません。 また、どうか誤解なさらないで欲しいのは、問題そのものは深刻であるとしても、解決のためのプロセスは決して暗いものではない、ということです。 私が地方創生大臣になってからお目にかかることのできた、そうした先駆者、挑戦者たちはみんな明るい表情をしていました。彼らのストーリーは、聞いているだけでも夢のあるものです。 こうしたストーリーを共有する方や組織が、地方に増えれば、必ずや日本列島全体が変わっていくことでしょう。
デイリー新潮編集部
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