「ルノー・スポールのエンブレムを持つ最後のモデルとしての意地とプライドを感じる」 by 大井貴之 これがルノー・メガーヌR.S.ウルティムに乗った自動車評論家のホンネ!!
これが見納め、乗り納め!
今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗! ルノー・スポールとしても最後、内燃エンジン車としても最後の1台。全世界で1976台の限定となるメガーヌR.S.ウルティムに乗った石井昌道さん、大井貴之さん、河村康彦さんのホンネやいかに? 【写真24枚】最後のルノー・スポール、メガーヌRSウルティムの詳しい写真はこちら! ◆「最高の気分になれる」石井昌道 アルピーヌへ改名することが決定しているから、このメガーヌR.S.が最後のルノー・スポールであり、しかもアルピーヌはBEV専売になるから最後のエンジン車でもある。それを記念して送り出されたのがウルティムだ。 2004年に2代目メガーヌで初登場したメガーヌR.S.は、公道を走れるFFレーシング・カーのようでいつも乗る度に興奮させられてきたが、これでお別れだと思うと寂しさがこみ上げてくるとともに、短い試乗でも存分に味わわせてもらおうと峠道へ向かった。 走り出した瞬間はツンツンとした硬めの乗り味だが、速度を上げるとしっとりと落ち着いていき路面の荒れを見事に吸収する。ウルティム専用の軽量ホイールによって、これまで以上に足捌きが上手なのだ。4コントロールやHCCといった独自のシャシー・テクノロジーによるハンドリングはFFスポーツの1つの完成形。迫力のあるエグゾースト・ノートを聞きながらドライビングしていると最高の気分になれる。BEVでもいいクルマを造ってくれるだろうが興奮度の高さでこれを超えることは、まだ想像ができないのだ。 ◆「意地とプライドを感じる」大井貴之 今回の原稿では「最後の」がやたらに登場するが、このクルマは最後のR.S.(ルノー・スポール)、1976台の限定モデル。先代からシビック・タイプRとニュルブルクリンク北コースのラップタイムを競ってきたFWDスポーツモデルだ。 今回のモデルにはフルストローク時の安定性を確保するダンパーインダンパーのメカニズムを採用。その分、通常のストローク域では従来よりソフトなセッティングを可能とした。 そしてもう1つの武器が4WS、後輪操舵だ。通常は60km/hまで。しかしスポーツ・モード、レース・モードでは100km/hまで後輪が前輪と逆方向にステアする。これは後輪に駆動力が無いFWDだからこそだが、慣れるまでは違和感の塊! を覚悟していたが、違和感などまるっきり無い! 試乗会場に設定されたスラロームでもワインディングでも違和感を感じることはなく、4輪が一体感のある仕事をする。 ルノー・スポールのエンブレムを持つ最後のモデルとしての意地とプライドを感じるFWDとして異次元のコーナリングマシンに仕上がっていた。元気になれる1台! ◆「楽しく、実用性に富んでその上お買い得!」河村康彦 ルノーのモータースポーツ活動を担うブランドがアルピーヌに一本化されたことで、「これがルノースポールを名乗る最後のモデルか……」とちょっと感慨深げに走り始めたメガーヌR.S.の最終進化型“ウルティム”。 その走りはタイト・コーナーを追い込んでもアンダーステア知らずのフロント・ヘビーなFFレイアウトの持ち主とは想像出来ないハンドリング感覚や、乾いたサウンドと共に得られるパンチに溢れた加速感などが、相変わらずなかなかに刺激的。 そんな走りのテイストと太いシューズを履きこなすワイドなボディによるルックスが生粋のスポーツ・モデルであることを隠さない一方で、実はベース・モデル同様の高い実用性を備えるのもこのモデルならでは。それゆえ、何となれば「一家にこれ一台」でも十分に事足りるという“万能性”を考えれば、MT仕様もDCT仕様も同一の659万円というその価格すら大バーゲンに思えて来る。 楽しく、実用性に富んでその上お買い得! これぞ“元気の源”を絵に描いたような存在ではないか! 写真=神村 聖(メメイン)/郡 大二郎(サブ) (ENGINE2024年4月号)
ENGINE編集部
【関連記事】
- 「間違いなく私はATで走った方が数段速いし楽しい!」 8段ATも加わった進化型GRヤリス・プロトタイプにクローズド・コースで試乗!!
- 「デカい4駆なのに自動車税は2リッターと同じで、13年過ぎても割増なし!」by 国沢光宏 これが、ジープ・ラングラー・アンリミテッド・ルビコン4xeに乗った自動車評論家のホンネ!!
- キャンプにも似合うレクサス 「NX」にアウトドア色を強めた新グレード「オーバートレイル」が登場
- 「これは毎日乗っていたい乗り心地です!」 一度味わうと虜になる2024年の注目車、DS4エスプリ・ド・ヴォヤージュに乗った自動車評論家、西川淳、渡辺慎太郎、菰田潔のホンネがこれだ!
- 「これほどラリーが似合うスポーツカーは他にない!」 2024年の注目車、アルピーヌA110Rチュリニに乗った自動車評論家、清水和夫と大谷達也のホンネがこれだ!!