レバノンでヒズボラとイスラエル軍が「停戦違反」と応酬 2人死亡
レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエル軍は2日、互いに「相手側に停戦合意違反があった」として攻撃を実施した。ロイター通信などが報じた。本格的な交戦には発展せず、11月27日に始まった停戦は継続中とみられるが、不安定な情勢だ。 イスラエル軍は12月1~2日、レバノン南部などでヒズボラに対する軍事作戦を行った。東部ベカー平原でも複数の軍事車両を攻撃し、シリアとレバノンの国境では武器の密輸に使用されていた施設を攻撃したという。ロイター通信はレバノン当局者の話として、レバノン軍の兵士を含む2人が死亡したと伝えた。 一方、ヒズボラも2日、レバノンとイスラエルの係争地のシェバ農場でイスラエル軍に対して「防御的な警告攻撃」を実施した。ミサイル2発を撃ち込んだが、負傷者はいないという。 今回の停戦では、60日間の戦闘停止期間中に双方がレバノン南部から撤退することになっている。だが、ヒズボラは南部への住民の帰還や復興を支援する意思を表明し、撤退するかは不透明だ。双方の散発的な攻撃が続けば、戦闘再開につながる恐れもある。【カイロ金子淳】