ザック・セイバーJr.が来日13年で悲願のG1 CLIMAX初優勝!師・小川良成に感謝の言葉を捧げ10月の両国国技館大会でのIWGP戦を熱望
18日、東京都・両国国技館にて新日本プロレス『ヤマダインフラテクノス Presents G1 CLIMAX 34』が開催。ザック・セイバーJr.が悲願のG1 CLIMAX初優勝を果たした。 G1 CLIMAXは、“世界一過酷”との呼び声も高い新日本プロレスの夏の風物詩たるリーグ戦。 今年はA,B両ブロック合わせて20選手が参戦。7月20日に開幕してから約1ヶ月の激闘を経てこの日が最終戦。前日の両国国技館大会初日でザック・セイバーJr.(Aブロック1位)、辻陽太(Bブロック3位)が優勝決定戦進出を決めていた。 辻は春のNEW JAPAN CUP優勝を果たしており、この日勝てば初優勝&史上初のNJCとG1の連続優勝。ザックが勝ってもG1初優勝であり、2016年のケニー・オメガに次ぐ2人目の外国人優勝。 期待の新星が時代を変えるのか、苦しい時期も新日本を支え続けてきた苦労人が栄冠を手にするのか。様々な意味で対照的な見方が出来るカードとなった。
力比べは辻が制し、ザックのグラウンドを警戒して付き合わず立ち技で勝負。必殺のジーン・ブラスターにつなげるべくボディへの一点集中攻撃。 苦戦を強いられるザックだったが、コブラツイストからの卍固めと新日本を象徴する関節技で対抗。辻のスパイニッシュフライをロープを使ったアームブリーカーで切り返し、ロープを掴む辻の腕にダイビングフットスタンプ。ザックはヨーロピアン・クラッチからジャーマン・スープレックスを見舞うも、即座に起きた辻がジーン・ブラスター。さらに雪崩式セブンティークロス、マーロウ・クラッシュと畳み掛ける。 辻は同期の上村優也の技であるかんぬきスープレックスを狙うが、ザックはこれを阻止し、師匠でもある小川良成の技である4の字ジャックナイフを繰り出す。ザックドライバーを切り返してジーン・ブラスターを発射した辻だったが、ザックが飛びついて腕を取りクラーキー・キャット。さらに足も固める“クラーキーキャット G1 34 winner テッカーバージョン”に捕らえてギブアップを奪った。 試合後、ザックは「カチマシタ~~ッッ!! 最初は、良成、小川、小川先輩、プロレス人生お疲れ様でした。全部ありがとうございました。小川さん!俺はやったぞ!最初は、G1優勝した。じゃあ……1.4はちょっと遠いね。ちょっと、ちょっとね。ザックは両国が1番好きだよ。じゃあ、両国、タイトルマッチがいいと思う。だから、次の両国大会、10月14日、『KING OF PRO-WRESTLING』。ザック、IWGP世界ヘビー級、挑戦する~~ッッ!!」とすべて日本語でマイク。優勝トロフィーを持って観客席へと入って行き、ファンから猛烈な祝福を受けた。 バックステージに戻ったザックは「8年。キャリアの中で初めて、自分に疑問を感じ始めていた。『G1』で優勝できるか?自分で望み描いたほど、自分は優れているか?今年でなければ……今年は俺にとって最後のチャンスだった。ニュージャパンのトップに立つための。俺は日本で最高のレスラーになるためにここにいるんだ。そしてそれは今年でなければいけなかった。今年しかなかった。東京ドームのタイトルマッチまで待つなんて、退屈だしバカげてると思う。本当に面白くない。8年ニュージャパンで過ごし、20年この業界で過ごしたんだ。これ以上待てない。ファンサービスってだけじゃなく、世界で一番、ここでレスリングをするのが好きなんだ」と10月の両国国技館大会でのIWGP戦を熱望。 そして、自身のキャリアのスタート地であるNWAハンマーロックジムのアンドレ・ベイカー、ジョン・ライアンへの感謝の言葉を述べた後、「その次に重要な人物が、リング上でも感謝したヨシナリ・オガワだ。彼は死ぬ日までレスリングを続けると思っていたけれど。でもオガワサンのやり方は……何も言わずに去るなんて、彼以上にクールに引退できる人なんていないね。なのに俺が大げさに騒いでしまって、彼が怒っていないといいけれど。4の字ジャックナイフ固めは難しいよ。小川さんは最強。すみませんでした、小川さん。すみませんでした」と小川良成への愛を語った。 ザックは、今年2月のダニエル・ブライアン戦後に「ブライアンが世界最大のプロレス団体で活躍し億万長者になっていた頃、俺はどのメジャー団体からのオファーも断り続けた。俺はこれからも人生の全てをこのスポーツに捧げるつもりだ。感謝も祝福も期待していない。そしてある日忽然と姿を消すだろう。その日まで、俺は毎日新日本プロレスにいるだろう。日々、プロレスの概念を覆すために働き続けるだろう。そして1人、また1人と億万長者が増えていくたびに、俺はここにいる決意が強くなる。俺はお金に興味がない。プロレスに興味があるんだ。2024年、俺はIWGP世界ヘビー級王座を獲って、プロレス界を一変させてやる」と新日本とIWGPへの熱い思いを語っていた。 ザックは2011年にNOAHに留学という形で初来日。2017年からは戦場を新日本に移し、コロナ禍で苦しい時期も日本に移住し活躍。3度のIWGPタッグ王座戴冠、2度のNEW JAPAN CUP制覇、NJPW WORLD認定TV王座での驚異的な長期政権維持など輝かしい結果を残しているが、“IWGP”の名を冠するシングル王座にはいつもあと一歩のところで手が届かずにいた。 他団体からのオファーを蹴り続けてついに新日本で栄光を掴んだザックには、今過去一番と言っていいほどに支持が集まっている。“ある日忽然と姿を消す”ことは師匠に先を越されてしまったが、もう1つの目標を達成することは出来るか。
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