会社がつぶれる兆しを示す目印 素人でもわかる「死相」 危ない「倒産予備軍」の見抜き方(下)
メディア情報から連想して外部要因の影響を推し量るトレーニングを
大きな見取り図の書き換えに伴って、経営が難局に向かうことは珍しくない。近年の新型コロナウイルス禍は好例だ。来客が物理的に断たれて窮地に追い込まれる企業が相次いだ。直近でもトランプ新政権やウクライナ侵略、中東情勢、人手不足、長期円安など、複数の要因が経営環境を揺さぶる。こうした外部要因の影響に関しては「メディアの情報から連想して影響を推し量るトレーニングが有用」(内藤氏)という。 倒産の間際では対応が難しくなる。早めにシグナルをつかむには、「継続的なウオッチングが効果的。時系列で比較する材料も手に入る」(内藤氏)。社内の噂は予兆を示す貴重なレア情報。「噂が耳に入るような人間関係の構築は結果的に身を助ける」と、内藤氏は商談にとどまらない接点づくりを勧める。 かつて「営業は足で稼ぐ」といわれた。近年はそうしたアプローチを古風ととらえる傾向が強まっているが、オンラインミーティングでは感じ取りにくいリアル情報は時に倒産リスクを見抜くヒントになり得る。ヒューマンな関係づくりに役立つこまめなコンタクトは回り回って、いざという事態のリスク回避にもつながりそうだ。