マンモハン・シン前インド首相が死去、92歳 2期10年間にわたり経済自由化に手腕
インドのマンモハン・シン前首相が26日夜(日本時間27日未明)、首都ニューデリーの病院で死去した。92歳だった。同病院が発表した。 シン氏は2004年から2期10年間にわたり、インドの国民会議派政権で首相を務めた。モディ首相はX(旧ツイッター)で、「インドは、最も優れた指導者の一人であるマンモハン・シン氏を失ったことを悼む」と投稿した。 シン氏は、インドとパキスタンが英国から分離独立する以前の1932年、現パキスタン領内のシーク教徒の家庭に生まれた。経済学者でもあり、デリー大教授、インド準備銀行(中央銀行)総裁などを歴任した。 91年の経済危機時には財務相として危機脱出に努め、経済自由化と対外開放政策を推進。日印の良好な関係構築にも貢献した。米国との原子力協定締結も実現した。 首相退任表明後の2014年の下院選では、国民会議派は野党だったインド人民党に敗れ、モディ政権が発足した。 シン氏が死亡した病院によると、同氏は高齢による疾患の治療を受けていたが、26日に自宅で突然意識を失った。病院に搬送されたものの、同日午後9時51分に死亡した。(岩田智雄)