レーシングなハーレーに80年代耐久レーサー風エンフィールド!? 「横浜ホットロッドカスタムショー2024」で最新モーターカルチャーをチェック
インディアンのチョッパー、ロイヤルエンフィールドのレトロ耐久マシン
毎回さまざまなカスタムの方向性で楽しませてくれるのがインディアンモーターサイクルズと、ロイヤルエンフィールドの2社。2024年も複数台のカスタムマシンが出展され、メーカーカスタムの完成度、インパクトを見せつけてくれました。 まずはインディアンモーターサイクルズのスペシャルなチョッパー、1937年のドラッグバイク「インディアン スカウト」にインスパイアされたカスタムで、エンジン上部のチューブフレームを大胆にカットした後にあらためて延長という手が込んだもの。フロントエンドを高く伸ばし、チョッパーのプロポーションを見事に再現しています。 タイヤもフロント21インチ、リヤ18インチへと変更され、燃料タンクに至っては純正品を4つに分割してから形状変更をするなど、抜かりは一切なし! 1960年代のニューヨーク・チョッパースタイルが蘇るファクトリーカスタムならではの仕上がりです。 そして、ロイヤルエンフィールドからはショットガン650をベースに、80年代の耐久マシンへのオマージュを込めたカスタムバイクをご紹介。 バイカー向けのアパレルやヘルメットをプロデュースするアメリカのicon1000がデザイン&製作を担ったモデルで、フロントカウルやシートカウル、また耐久レーサーではお馴染みのクイックフィラー付きタンクなど、レトロでいながら新鮮なイメージに仕上げられています。 フォークカバーやあえて突き出したバッテリー配置など、ストリートのセンスに長けたicon1000らしいディテールには誰もが驚き、ため息までもらしたのではないでしょうか。
コレがCB750Four!?「旧車カスタムや技巧の素晴らしさに目をみはる」
モーターカルチャー、カスタムマシンの最前線を目にすることができるのもホットロッドカスタムショーの醍醐味。今回、興味深かったのはアメリカンバイクだけでなく、国産の旧車やヨーロッパブランドのカスタムが増えてきてことでしょう。 例えば1978年型のホンダ CB750Fourをベースに、フレームやボディを再解釈した「TRACYROSE(トレーシーローズ)」などは最たる例かと。一般的にはクロームやキャンディ塗装といったカスタム手法のターゲットとは考えづらいCB750Fourにここまでアメリカンテイストを盛り込んだのは驚きの一言。それが思いのほか似合っているのは、やはり優れたカスタムテクニックあってこそ。 また、昨年はロイヤルエンフィールドのサイドカーで観客の度肝を抜いたチェリーズカンパニーが出展した「Fuzin(風神)」はフレームやホイールをゼロから作り上げたフルスクラッチビルド。実車のバランスや細部の仕上がりに目を凝らせば、そのテクニックはもはや神業の領域だと感じずにはいられません。 こうしたカスタムファクトリーのおかげで、日本のモーターカルチャー、カスタムシーンは日進月歩の進化を遂げており、我々バイク好きの胸を熱くしてくれるのです。今回のホットロッドカスタムショーを見逃した方は、ぜひ来年のショーを訪れることをオススメします。たとえカスタムファンではなかったとしても、ときめかせてくれるバイクに出会えること間違いありません。 レポート&写真●石橋 寛 編集●上野茂岐