おにぎり専門店増加で進化…「羽根つき」「高級食材」が人気に
老舗駅弁屋がおにぎり専門店オープン
古くから日本の家庭で当たり前のように食べられてきた「おにぎり」。近年は、コンビニやスーパーなどが主力商品の一つとして販売に力を入れてきましたが、おにぎり人気の高まりを受けて、最近では専門店の開業が相次いでおり、おにぎりを新たにメニューに加えた飲食店も増えています。どんな場所でも手軽に食べられる携行食だったおにぎりが、創意工夫を凝らした「料理」へと進化しているようです。 【写真】豊富な具材と見栄えが特徴の「ご馳走おにぎり」 駅弁「峠の釜めし」で知られる「荻野屋」(本社・群馬県安中市)は今年8月、東京都渋谷区内に、おにぎり専門店「おこめ茶屋 米米-めめ-」をオープンしました。 同店で販売しているおにぎりはすべて、「峠の釜めし」と同じく、茶飯(味付けごはん)を使用しています。「ごはんに味が付いているため、温かい状態でももちろんおいしいですが、冷めてしまっても味が凝縮されるので、違うおいしさを味わっていただけます」と話すのは、同社首都圏事業部の浦野恵造さん。 おにぎりの具材は、試食を繰り返して、茶飯に合うものを選びました。「炙り鮭」(1個260円)や「梅おかか」(同220円)などが売れ筋です。
「進化系おにぎり」が続々登場
高級食材を使用したおにぎりや、お茶漬けにして食べるおにぎりなど、おにぎりのイメージを覆すような新しいタイプの商品を打ち出して、他店との差別化を図ろうとする動きも見られます。 「羽根つき焼きおにぎり」の専門店「築地のにぎり」(東京都中央区)は、焼きギョーザのような「羽根」が付いた焼きおにぎりに、ウニやイクラなど高級海鮮をトッピングした「映えるおにぎり」を提供しています。 「築地のにぎり」は、すし店などを経営する「ハレの日」(東京都港区)と、羽根つき焼きおにぎり専門店「gao」の運営会社「WAKWACWAQ」(東京都台東区)が協業し、今年9月にオープンしました。羽根つき焼きおにぎりは、専用の器具でごはんをプレスして焼き上げるため、一般的な焼きおにぎりと比べて、よりサクサクとした食感を楽しめるといい、店舗運営者は「斬新なおにぎりだと、たくさんのお客様に楽しんでいただいています」と話します。海鮮食材の仕入れにこだわっていて、「こぼれいくらの羽根つき焼きおにぎり」(1個600円)や「こぼれうにの羽根つき焼きおにぎり」(同1000円)が人気です。 「築地のにぎり」は移動式の屋台の店舗となっており、「営業状況はお店のSNSを確認してほしい」(店舗運営者)としています。