旧統一教会元信者の夫婦、多額の献金で生活困窮「私たちのように苦しむ人が出てほしくない」…解散請求1年
解散命令が出ると、裁判所が選んだ清算人が法人の持つ債権を取りたてたり、債務を返済したりして法人の財産の整理を行う。最終的に残った財産があれば、国庫に帰属する。また清算後、宗教法人格がなくなり税制優遇はなくなるが、任意団体として宗教活動は続けることができる。
全国統一教会被害対策弁護団などによると、昨年7月以降、夫婦を含む元信者ら約170人が、旧統一教会に計約52億円の損害賠償を求める集団調停を東京地裁に申し立てている。夫婦は計約3000万円の賠償を求めている。解散命令が出れば、調停が速やかに進む可能性もあるという。男性は「つらい体験をする人が二度と出ないように一日も早い解散命令が出てほしい」と話している。
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九州の信者らでつくる任意団体「基本的人権・信教の自由を守る九州の会」事務局長の男性(64)によると、解散命令請求が出て以降、信者らに対する批判が強まり、勤務する会社を辞めざるを得なかったり、信者であることが分かり大学生が企業の内定を取り消されたりしたケースが起きているという。
信者となって約40年になる男性は「信者全員が無条件に悪いというレッテルを貼られ、非難される状況。裁判所は現信者の思いもきちんと拾い上げた上で、判断を出してほしい」としている。