ライダーだけでなく乗らない人もスカッとするバイク映画5選!
流麗なダンスのようにバイクが舞う!『ミッション:インポッシブル2』
パリ五輪の閉会式で颯爽と頭上から舞い降り、大会フラッグを受け取るやバイクで会場を飛び出したトム・クルーズ。『ミッション:インポッシブル』はそんな彼のバイク愛が幾度となく刻まれてきたシリーズだが、中でも『2』はジョン・ウー監督ならではの、流麗なダンスのような、はたまた西部劇の“一騎討ち”をも思わせる印象的なバイク・アクションが炸裂する一作となった。 極秘開発された人を死に至らしめるウイルスとそのワクチンを巡って、イーサン・ハントと悪に寝返ったエージェントがバトルを繰り広げ……。近年のテンション高密度のシリーズ最新作からすると、この時期のアクション、ラヴ、サスペンスの紡ぎ方はややゆったりで、逆に新鮮に思えるほど。しかし、いざスイッチが入ると鳩は羽ばたき、二丁拳銃が飛び出し、さらに『フェイス/オフ』的な顔面入れ替えもありで、すっかりジョン・ウー祭り。ちなみにバイク場面は脚本執筆に先んじて構想されていたそうで、前輪で急停止&方向転換したり、銃撃を避けて片方の車体に隠れながら自足で地面を滑走するなど、豊穣なアクションボキャブラリーが光るシークエンスに仕上がっている。
意外なこだわりが嬉しいヒーロー爆走映画!『ゴーストライダー』
我らのニコラス・ケイジが炎に包まれたドクロのマーベル・ヒーロー“ゴーストライダー”になって、破格のテンションで周囲のあらゆるものを蹴散らし爆走を続ける。相変わらずケイジはこの手の役柄を本当に楽しそうに演じるから、見ている方も無性に楽しい……などと、すっかりニック目線。ヒーロー目線で鑑賞していると、なんと主人公と悪魔の契約を交わすメフィスト役としてピーター・フォンダが現れてビックリ! これはある意味、『イージー・ライダー』の魂をしっかり受け継いだバイク映画でもあるのだ。 「バイク映画といえば彼しかいない!」とフォンダの起用を提案したのは他ならぬケイジだったそうで、この映画界のレジェンドはキャスティングから撮影までごく短期間だったにもかかわらず、遥々オーストラリアまで駆けつけてくれたとか。また、若いスタッフには『イージー・ライダー』を未見の者も多く、それならばと、フォンダの解説つき上映会を実施して盛り上がったという逸話も聞こえてくるほど。本作でケイジが乗るバイクが『イージー・ライダー』でフォンダが乗っていたチョッパースタイルのハーレーなのも見逃せない。