日大三島・松永、自信の直球狙われ 初大舞台は苦い思い出 センバツ
第94回選抜高校野球大会は第3日の21日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、昨秋の東海王者で38年ぶり2回目出場の日大三島(静岡)は金光大阪に0―4で敗れた。日大三島のエースで4番の松永陽登(3年)は完投したが、立ち上がりの失点が響いた。 【熱血、スマイル…】センバツの歴史に名を刻んだ名将たち 軌道修正が少しだけ遅れた。立ち上がりに、自信を持つ直球のタイミングが金光大阪打線にぴったり合ってしまった。 一回に先頭打者を打ち取った後、左打者の福冨に対し、フルカウントから決め球に選んだ低めの直球を左前にはじき返された。四球を挟んで4番・岸本にも外角直球を中前に運ばれて塁が埋まる。直球主体で組み立てようとしていただけに、苦しくなった。5番・貴島には変化球も甘く入って先制の中前2点打を許すと、暴投もあり、この回いきなり3失点を喫した。 直球を狙われていると気づき、以降は「球種を投げ分け、打たせて取る」組み立てに変えた。カーブ、スライダー、チェンジアップ、フォークと多彩な球種を織り交ぜて完投。二回以降は67球で最少失点に抑えただけに、被安打3、与四球2と苦しんだ一回の31球が重すぎた。 中学時代は控え投手で、高校入学時の球速は125キロに満たなかった。それが今では最速140キロを誇る右腕で、打者としても4番を務める。急激な成長曲線は、報徳学園(兵庫)を率いてセンバツ優勝経験のある永田監督をして「人生で経験したことがない」と言わしめる。自身初の大舞台は悔しい結果に終わったが、非凡な修正力を示しもした。【大東祐紀】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。