原巨人のCS阪神戦での衝撃ピッチドアウトの真相とは…短期決戦に強い巨人は王者ヤクルトに“下剋上”できるのか?
「ヤクルトが有利だと思います。なにしろ1勝のアドバンテージが大きいですし、どこで使うかわかりませんが巨人は菅野しか計算の立つ先発はいません。投手陣の層で言えば、中継ぎも含めてヤクルトが一歩リードしています。セ、パ共にファーストステージの戦いを見ているとわかりますが、短期決戦では、ロースコアの展開になるケースが多いのです。ただ巨人とヤクルトのファイナルステージに関しては乱打戦になるような予感がしています。巨人は2冠王の岡本がいません。得点力もヤクルトに分があります。打ち勝つのではないでしょうか」 今季の両チームの対戦成績は11勝11敗3分けとまったくの五分。しかし、9、10月の戦いで言えば、ヤクルトが6勝2敗2分けと圧倒していた。橋上氏が予想する乱打戦を制するキーマンは、4番の村上と5番が予定されているサンタナだろう。村上は、巨人戦で打率.348、8本塁打、25打点と打ちまくっていて、サンタナも対巨人の打率.310、8本塁打、19打点と相性がいい。山田も巨人戦では6本塁打。 巨人は阪神との第3戦で先発予定だった山口が先陣を切り、中4日で菅野、3戦目がメルセデスの“特攻ローテー”を組む。山口は対ヤクルトに2試合投げて勝ち負けがなく防御率3.12の成績だが、後半戦はふた回り目にはつかまる傾向があり、6日の阪神戦で今季一番の投球内容を見せた菅野は対ヤクルトの防御率が0点台だが、中4日の不安はあり、メルセデスにいたっては、今季対ヤクルトに4試合で1勝1敗、防御率5.14と安定感に欠く。狭い神宮で、燕打線がシーズン後半の勢いのまま暴れまくる展開となれば、短期決戦を得意とする原采配でも限界があり食い止めきれないかもしれない。 守ってもヤクルトの第3戦目までの先発予定は、奥川、高橋奎、原の3人。“開幕投手”に指名された2年目の奥川は、今季巨人戦で2試合に登板して2勝0敗、防御率2.77の数字を残し、9月17日の先発では巨人打線を7回5安打1失点に抑えた。2戦目の左腕高橋は、3試合に投げ0勝1敗、防御率4.24と結果は出ていないが、第3戦の原は2試合、1勝0敗、防御率1.59と相性はいい。奥川、原で2つ勝てば、その時点で王手だ。短期決戦で最も重要なのが今日10日の初戦の戦い。晩秋の神宮に日本シリーズ進出をかけた最終決戦の熱いゴングが鳴る。 (文責・論スポ、スポーツタイムズ通信社)