仕事人のベテランガード DJ・オーガスティンが引退「バスケが忍耐、努力、献身を教えてくれた」
堅実派ポイントガードとして14年間をNBAで過ごしたD・J・オーガスティンが、バスケットボール選手としての引退を発表した。 36歳のオーガスティンはこの度の報告にともない、SNSに惜別の言葉を記している。 「今日、僕は長年愛してきたゲームからの引退を正式に発表します。バスケットボールは単なるスポーツ以上の存在であり、忘れ難き思い出、友情、教訓、そしてコート外での経験に満ちた旅となりました。ニューオーリンズで生まれ育ち、NBA入りを夢見て、約15シーズンのキャリアを積み、その夢を叶えることができた。僕は良い時も悪い時も、全てのチーム、街、そして僕と家族を支えてくれたファンのみんなに感謝しています。どの町に行っても自宅を自宅らしくしてくれた妻、僕のモチベーションになってくれた子供たち、犠牲を払ってくれた両親、揺るぎないサポートをしてくれた姉妹と家族にも感謝しなければいけません。兄弟愛を分かち合えるチームメイトたちもです。コーチやスタッフの皆さんも、指導してくれてありがとう。そして、ファンの皆の愛とサポートのおかげで、この旅路は忘れられないものになりました。人生の次の章に進むにあたり、バスケットボールが教えてくれた価値観、すなわち忍耐力、努力、献身性を胸に刻みます。選手としては引退しますが、僕らが愛するこのゲームとはずっと繋がっています。物語の一部になってくれてありがとう。DJ」 テキサス大学でケビン・デュラントとプレーし、2年目にはポイントガード年間最優秀選手賞を受賞した後、デリック・ローズやラッセル・ウェストブルックらと同じ2008年、シャーロット・ボブキャッツ(現ホーネッツ)から全体9位指名で指名され、NBAキャリアをスタートしたオーガスティン。 183センチの身長はリーグを生き抜く上では決してアドバンテージとはならなかったはずだが、インディアナ・ペイサーズ、シカゴ・ブルズ、オクラホマシティ・サンダー、オーランド・マジック、ミルウォーキー・バックス、ロサンゼルス・レイカーズなど、同選手はジャーニーマンとしてキャリア合計11球団を渡り歩いてきた。 キャリア通算976試合のうち、スターターとしての起用は334試合のみ。オーガスティンには派手さこそないものの、パスを主体としたゲームメイクながら平均ターンオーバーはわずか1.5本というミスの少なさが特徴で、これはスタッツを36分換算にするとクリス・ポールやタイリース・ハリバートンをも下回る。また、身長差を埋めるアウトサイドの精度にも定評があり、キャリア平均の3ポイント成功率は38.1パーセント、うち8シーズンでは成功率40パーセントをマーク。平均23.4分のプレータイムは、職人のような仕事ぶりと抜群の安定感による賜物である。 引退コメントには戦友たちも反応しており、ダラス・マーベリックスのアシスタントコーチを務めるジャレッド・ダドリーは「素晴らしいキャリアだ!一生の友情を築く1年をともに過ごせてうれしかった!人生の次の章を楽しんでくれ」とコメントし、クリスティアン・ウッドやダニー・グリーンも長年の功績を讃えた。 家族思いのオーガスティンの次なるステップは。ゴルフの腕前も確かなだけに、もしかすると今度はラウンドでステフィン・カリーやJR・スミスと顔をあわせることになるかもしれない。 文=Meiji
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