【編集部解説】衆院選2024の争点②物価高/国政政党の物価目標&消費税&大企業課税の賛否は?
YouTube「選挙ドットコムちゃんねる」では、毎週選挙や政治に関連する情報を発信中です。 2024年10月19日に公開された動画では、衆院選2024の争点解説として、「物価高」をテーマにお届けします。 今回は、物価安定目標の引き下げ、消費税の減税、大企業への課税強化について、各政党にアンケートを行った結果について、選挙ドットコム編集長の鈴木邦和が解説します。 【このトピックのポイント】 ・物価高の現状と課題、日銀の政策など物価高の基本を徹底解説! ・物価高は続くの?!政策として争点となるのはこの3つ! ・各政党の物価高に関する公約の中身とは?!
そもそもどれくらい物価は上がっている?その原因は?
MC伊藤由佳莉「2回目のテーマは『物価高』。日々、痛感しております……」 編集長・鈴木邦和「我々も一有権者として、非常に苦しんでいるところですので、しっかり解説できれば思います!」 MC伊藤「そもそも物価高はどのような状況なのでしょうか?」 NHKがまとめた消費者物価指数の推移のグラフをお借りして、解説します。 鈴木「シンプルに言うと、2020年の平均を100としたら、現在は108.7という数値。全体としての物価は、8~9%上がっているのが、今の状況です」 注意が必要な点として、生鮮食品は天候や世界情勢を受けやすく価格が変動しやすいため、消費者物価指数は生鮮食品は除いた指数となっています。 物価の一部を紹介すると、2024年8月データでは、コシヒカリを除く「うるち米」が29.9%、「コシヒカリ」が25.6%、「果実ジュース」が34.9%、「チョコレート」が12.7%、国産の「豚肉」が7.2%。 2024年1月データでは、「鶏卵」は28.7%、外食の「ハンバーガー」は14.6%、「宿泊料」は17.3%、上昇しました。
MC伊藤「物価の優等生の卵も値上がりして、ビックリしました。そもそもどうして、こんなに物価が上がっているのでしょうか?」 鈴木は、主な原因として「国際的な原材料価格の高騰」と「円安」を挙げました。 「国際的な原材料価格の高騰」の背景には、ロシアのウクライナ侵攻により、原材料にあたる小麦や原油の価格が上がったことがあります。 また、コロナで停滞していた経済活動が再開したことによって需要が一気に高まりましたが、供給がまだ追いついてないという側面もあり、原材料価格が上がったことが物価高に繋がりました。 「円安」が起こっているメインの理由は、日米の金利差です。 日銀は、低金利政策を10年ほど実施しているのに対し、アメリカは近年インフレ抑制のために、利上げを行っているため、日米の金利差が拡大しています。 金利差が拡大すると、金利が高いドルを買って円を売る動きが加速するため、円安が発生します。 その結果、円安により輸入コストが上がって、それが物価高に繋がってるという状況だと解説しました。 MC伊藤「この状況はいつまで続くのでしょうか?」 鈴木は、エコノミストの予測をまとめると「物価上昇の勢いは少しずつ弱まっていく」と見られていますが、「それでも年間2%を上回る物価上昇が続くだろうと言う見通し」と解説。 鈴木「なので、(物価高は)長期的に続くという認識で間違いない」