【編集部解説】衆院選2024の争点②物価高/国政政党の物価目標&消費税&大企業課税の賛否は?
物価高に対する3つの争点
物価高の状況について、政策としてどういうアプローチができるかというのが、今回の争点です。 物価高は長期的に続く可能性があります。今回は、低所得者向けの給付金を配布するなどの、場当たり的な対応ではなく、長期的な対応を論点にします。 今回、各政党に以下の3つについてアンケートを行いました。 ・日銀の物価安定目標を2%から引き下げるべきか ・消費税を10%から引き下げるべきか ・大企業への課税を強化すべきか 質問内容について、見ていきましょう。 日銀は、緩やかなインフレを目指した金融政策を取り、おおむね毎年2%の物価が上がっていくことを目標にした金融政策を行っています。 先日、立憲民主党が衆院選の公約で「日銀の物価安定目標を現在の2%から0%超に修正する」ことを掲げてニュースになりました。この物価目標を2%から引き下げるべきかどうかというのが論点になると思い、今回の質問に加えました。 MC伊藤「物価目標とは、そもそも何なのでしょうか?」 日本は長年、デフレで物の値段が下がり、賃金は上がらず、経済としてはあまり良くない状況でした。これを緩やかなインフレに変えようと、安倍政権は政策を大きく転換。インフレで、緩やかに物の値段が上がる中、企業はもっと投資をするようにし、賃金の上昇を追いつかせて、経済を成長させようという考え方に変えました。 多くの先進国では、緩やかなインフレの中で経済を成長させようという考えが、主流です。 物価目標を多くの海外の中央銀行でも設定し、日銀でもこの10年行っている状況です。 日本の問題点について鈴木は「物価の上昇に対して、賃金の上昇が上回ってないこと。海外で、経済政策がうまくいっている国は、物価が上がっても、その分賃金も上がっているので、別に生活は苦しくない。日本の現状は、物価の目標に対して、賃金の上昇が追いついていないので、多くの人が苦しくなってるという状況です」 2つめの、消費税の話について見ていきましょう。 消費税は、国民生活に直結する税目であり、消費税を引き下げるべきと訴えてる政党も非常に多いです。また、各党で意見が分かれてるので、争点に挙げました。 3つめは、大企業に対する課税強化の件です。 大企業の業績が良い状況で、設備投資や賃上げを行わない企業に対しては課税をすべきという議論があります。また、賃金を上げた企業に対して法人税の減税を行うべき、法人税を企業の状況に合わせて個別に決定をして、政策誘導効果を高めるべきだっていう議論もあるので、争点に加えました。