「通勤電車には"体にいい席"がある」…精神科医が"地下鉄以外"の電車で推奨する行動とは
■4.シャワー ---------- 健康にいいのはどっち? A 熱いシャワーを浴びる B 冷たいシャワーを浴びる ---------- 朝からお風呂に入ると午前中に眠気が 手っ取り早く目を覚ますには、シャワーを浴びるのがいいでしょう。熱いお湯を浴びることが刺激となり、人間にとってアクセルのはたらきをする交感神経が活発になるからです。 では、冷たいシャワーではどうでしょうか? お湯も冷水も「脳への刺激」という意味では同じ効果があります。 寒い季節は、あらかじめ温めた浴室で熱いシャワーを浴びたあとに足首やふくらはぎに冷たい水をかけて、体を寒さに慣れさせるという方法がおすすめ。熱い刺激のあとで冷たい刺激も加わるので、目覚まし効果がさらに高まります。 特に高齢者は、寒い冬にいきなり熱いシャワーを浴びたり、逆に暖房の効いた部屋から裸で寒い浴室に入ったりすると、体温の急激な変動による「ヒートショック」を起こすことがあります。脳卒中や心筋梗塞の原因になるため、注意が必要です。 冬は、高齢者でなくとも朝のシャワーを億劫に感じるかもしれません。そこで試してみたいのが、冷たい水で顔を洗うことです。少なくとも精神的には、冷たい水の刺激でシャキッとするはず。冷水で顔を洗うと、肌も引き締まります。 熱くも冷たくもない「ぬるま湯」は、覚醒効果という意味では、いまひとつ。ただし毛穴を開かせ皮膚の汚れや皮脂を落とすには34~35℃程度のぬるま湯が適しているので、ぬるま湯で顔を洗い、最後に冷たい水で肌と脳をシャキッとさせるのがベストだといえます。 ちなみに平日の朝から浴槽のお湯につかってしっかり入浴する人は少ないと思いますが、お湯につかると体の深部体温が上昇します。深部体温は風呂から出て30分から2時間くらいすると自然と下がってきますが、人間は深部体温が下がるときに眠気が起きることがわかっています。 したがって朝風呂をした日は、深部体温が下がるころ、急激な眠気に襲われるかもしれません。もし大事な仕事があるのであれば、その日は朝風呂は避けたほうが賢明です。 ■5.運動 ---------- 朝から頭が冴えるのはどっち? A ジョギングをする B ラジオ体操をする ---------- 朝のジョギングは脂肪燃焼効果が高い シャワーなどの刺激でも交感神経を活性化させることはできますが、一番いいのは「運動」です。 特に朝、ジョギングなどの有酸素運動をすると、効率よく体温を上げて体脂肪も燃焼させることができます。 人間の体内では朝の目覚めが近づくにつれ、副腎皮質からコルチゾールというホルモンが分泌されてきます。コルチゾールは血圧や免疫機能など生体のエネルギーを保つために不可欠なホルモンで、このコルチゾールの分泌量が上がってくるタイミングで運動をすると脂肪燃焼効果が高まります。 ただし、激しく息が上がるほど走ると体の深部体温が上がりすぎてしまい、運動後30分から2時間たったころ、体温が下降するとともに眠くなるおそれがあります。激しい運動をすると多少精神的にハイになるので、爽快な気分で仕事に取りかかれるかもしれませんが、午前中に眠くなる場合は運動の強度を下げたほうがいいでしょう。 朝といえばお馴染みの「ラジオ体操」は、本気で行うとけっこうきついものです。特に体がかたくなった中高年にとっては、適度に負荷がかかるストレッチや筋トレ的な要素もあります。 ウオーキングやジョギングのような有酸素運動と、ラジオ体操のどちらがいいかは一概にはいえませんが、適度に体を動かすことは目覚めにも健康にもプラスになることは確か。運動の種類は自分の体力に合わせて選びましょう。ちなみに日光を浴びることで夜の安眠をうながすメラトニンという物質が分泌されるので、可能ならば屋外で運動をすると一石二鳥だといえます。 平日に運動の時間がとれない人は、通勤のときに速足で歩いてみてはどうでしょうか。それだけでも有酸素運動になります。またエレベーターやエスカレーターの代わりにできるだけ階段を上り下りするのもよいでしょう。 心配なのは、家から会社までほとんど歩かない自動車通勤の人です。駐車場ではあえて出入り口から遠いところに停めるなど、少しでも脚を動かす習慣をつけるようにしてください。