「通勤電車には"体にいい席"がある」…精神科医が"地下鉄以外"の電車で推奨する行動とは
■2.朝食 ---------- 夜によく眠れるのはどっち? A 少しでも食べる B 一切食べない ---------- 朝食の消化吸収で体はリセットされる 人間の体には体内時計というものが備わっています。この体内時計は1サイクルが24時間よりもやや長めに設定されているため、放っておくとどんどん後ろにずれていってしまいます。 それをリセットするのが日光なのですが、朝食もそれに負けず劣らず重要なのをご存じでしょうか。 実は脳だけではなく、体の細胞の一つ一つに体内時計はセットされています。胃や腸にも体内時計があるわけですから、朝食を消化吸収することで、体は一日の始まりを知るわけです。「朝は食欲がない」という人も、体内時計を調節するという意味では、何かをちょっとつまむだけでもいいでしょう。 一方で、「朝食不要論」もあります。アメリカのコーネル大学やバンダービルド大学の研究では、朝食を食べる・食べないはメタボやダイエットには影響が少ないと報告しています。 しかしハーバード大学では「朝食を抜くと肥満や心臓病のリスクが高まる」という、約2万6000人を対象とした調査結果を発表していますし、朝食を抜いた子どもは成績が悪いという調査結果もあります。 結局、医師の常識的なコメントとしては、「朝食はとったほうがいい」ということになります。 具体的にはどんな朝食をとるのがいいかというと、たんぱく質、糖質、脂質のバランスのよいメニューです。特に朝はたんぱく質の吸収率がよいので、卵やハムなどのたんぱく質を意識してとるといいでしょう。また和食も味噌汁や納豆など大豆製品が多いことから、意外と植物性たんぱく質が豊富。豆類にはセロトニンやメラトニンの原料となるトリプトファンも含まれていて、睡眠にもよい食材です。 ただし朝から和定食を用意するのは手間がかかります。今は栄養価の優れたシリアルが豊富にあるので、「シリアルとヨーグルト(余裕があれば果物もプラス)」といったメニューが手軽で便利でしょう。食べすぎると起きたばかりの胃腸に負担がかかるので、ほどほどの量にしておくことも大事です。 ■3.飲み物 ---------- 朝に最適なのはどっち? A コーヒーを飲む B オレンジジュースを飲む ---------- 柑橘の酸味で目を覚まそう 人間は夜寝ているあいだ、自分でも気づかないうちに汗で水分を失っています。これを「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」といいます。朝起きたばかりの体は軽い脱水状態にあり、血液がドロドロ。これを解消するためにも、目が覚めたらまずコップ1杯の水を飲むことを習慣にしたいものです。 また水を飲むことは、胃腸に「目を覚ましなさい」というサインを送ることにもなります。 朝はコーヒー派の人も多いと思いますが、カフェインには利尿作用があるので、コーヒーだけでは逆に水分が奪われます。紅茶やコーヒーにはそれほど栄養もありませんから、ほかの飲み物もとるようにしましょう。朝はたんぱく質の吸収がいい時間帯なので、牛乳を飲むのもいいでしょう。 覚醒効果を高める意味ではオレンジやレモン、グレープフルーツといった柑橘類のジュースもおすすめ。ただし糖分を加えた甘いものではなく、適度にすっぱいことが条件です。 特にレモンの香りは、精神的な疲労を軽減する効果があります。また、レモンの強烈な酸味は刺激となり、一時的な覚醒効果が得られます。早稲田大学の研究グループは、レモンの香り成分やレモン果汁を摂取することで、体内時計を司(つかさど)っている時計遺伝子の発現が高まることを示しました。時計遺伝子の働きが活発になれば、体内時計の乱れも小さくなります。 本当は生の柑橘類を食べるのが理想ですが、ジュースに加工されたものを摂取してもいいでしょう。レモン果汁が含まれたビタミンC飲料を飲んですっきり目を覚ますのも一手。ただし糖分を加えて飲みやすくした果物ジュースは、飲む頻度や量に注意が必要です。高血圧の薬を服用中の人は、グレープフルーツを避けるようにしてください。 ちなみに私自身は毎朝アーモンドミルクを飲む習慣を始めました。これは確固たる科学的根拠に基づいて選んだわけではないのですが、ビタミンEが多いとか、抗酸化物質が豊富だと聞いたので試してみているところです。