トレードか、残留か。ダルビッシュ獲得を狙う3球団とは?
メジャーリーグのトレード期限は7月31日。7月下旬は、優勝戦線から脱落したチームが今シーズン限りでFAとなる選手を優勝争いチームに放出し、代わりに若い有望選手を獲得するトレードが活発になる。 今年のトレード市場の注目選手の一人がレンジャーズのダルビッシュ有だ。今季はここまで15試合、94イニングスを投げて6勝5敗、防御率3.35の成績。奪三振99は、リーグ3位の数字だ。 レンジャーズは22日時点で、35勝36敗。まだ借金「1」で巻き返しを狙える位置にいるが、ア・リーグ西地区は、青木宣親のいるアストロズが49勝24敗、勝率え.671と独走。レンジャーズがポストシーズンに進出するのは、ワイルドカード争いを制することしか手がない状況だが、その争いも熾烈で、球宴を挟んでのこの一ヶ月のレンジャーズの戦いによっては、ダルビッシュを売りに出す可能性も出てくる。 米スポーツ専門局のESPNでは、トレードに絡みそうな各球団の買い物リストを作成。チーム事情からダルビッシュの獲得を目論む球団として、ドジャース、インディアンス、カブスの3球団を挙げた。 記事によると、前田健太がいるドジャースが必要としているのは、先発ローテーションと中堅手。 「先発のリッチ・ヒルの交代は、同じ先発のアレックス・ウッドの登場によって相殺されるだろうが、ポストシーズンのローテーションは、多くの選択肢を持つことはできない」と分析している。ドジャースは、ポストシーズンに進出可能性は現時点では高いが、ワールドシリーズ優勝を目指して戦うポストシーズンの先発投手としてダルビッシュを獲得するのではないかというわけだ。ダルビッシュ以外に狙っている投手としてロイヤルズのジェイソン・バルガス、ホワイトソックスの先発ホセ・キンタナの名前をリストアップした。 昨年のア・リーグ優勝チーム、インディアンスについては、「ツインズを破ったインディアンスはア・リーグ中地区で他のチームを少し離したように見える。中継ぎ救援陣は、恐らくメジャーでも一番良い。先発ローテーションは悪くはないが、もっと良い方向に行けるはずだ。エースのクルーバーの次の先発投手がいれば、インディアンスは戦う準備ができたと感じることだろう」と、ダルビッシュのほか、アスレチックスの先発右腕ソニー・グレイの名前を挙げている。 昨シーズン、108年ぶりにワールドシリーズを制したカブスも連覇にはローテー強化が課題だという。 「カブスのファンは投手を獲得するために、若い野手の誰かとサヨナラをしなければいけないようだ。ローテーションの一角を担えるグレイ(アスレチックス)のような投手が必要だ」と、ソニー・グレイ、ダルビッシュ、ライアン・マドソン(アスレチックス)、マイク・マイナー(ロイヤルズ)、パット・ネシェック(フィリーズ)の4人を買い物リストの中に入れた。 では、レンジャーズがダルビッシュを売りに出す可能性についてはどうなのか。 同記事では「レンジャーズはこの時点から買い手にも売り手にもどちらにも転じる。レンジャーズに必要なのは、打線が安定した成績を残すことと、三塁手のエイドリアン・ベルトレが健康な状態であること。また、中継ぎ投手陣が、昨年の後半戦と同様の力を出すこと。そうでなければ、チームは売り手に転じる。それは、FAになる先発のダルビッシュの行く先に注目が集まることを意味する」と分析した。 レンジャーズのこれから一ヶ月間の戦いにより、ダルビッシュ争奪戦となるか、それともダルビッシュはレンジャーズに残り、ポストシーズン進出を狙うことになるのか。ダルビッシュが優勝争いのカギを握る選手の一人になっていることは間違いないだろう。