「周りは敵だらけだと思い込んでいた…」38歳早稲田卒の女性が遂に納得の結婚に至れた経緯
「言い方はおかしいかもしれませんが、彼にはMっ気があるのだと思います。お金は出すけど女性にリードしてほしいタイプです。新居は福岡市内のタワーマンションの中層階を購入しましたが、『どこに住むのかは恵子さんが決めていいよ』と言ってくれました。ローンは彼が単独で組んだのですが……。ボーナスの明細を『A評価がこんなにあったんだよ』と見せてきたりするのは私の学生時代の女友だちの旦那さんたちにも共通しています。私たちワセジョを選んでくれるのは年下気質の男性なのかもしれません」
■夫の愛情に包まれ、幸せな日々 正人さんは毎日のように「すごくかわいい」と恵子さんを褒めてくれるという。かつては追いかけるような恋愛を望んでいた恵子さんは、今では正人さんの愛情に包まれる幸せに浸っている。 「彼の転勤、私の仕事、子どもができるのかどうか、などの不安点は尽きません。PayPayも拒絶するほどアナログで現場系の彼とIT系の私では相容れないところもあります。でも、私にないものをたくさん持っていて優しい彼とその親きょうだいを大切にしたい気持ちは変わりません。私たちも温かい家族になっていきたいと思っています」
精神的に弱ったから素直になって結婚できた、と自己分析する恵子さん。筆者は少し違う感想を抱いた。東京の賑やかで華やかな世界に憧れ、そこで恋愛も起業も経験したが、肩ひじを張って無理をしていた部分も多かったのではないだろうか。「なりたい自分」には往々にして他人の欲望が入り込んでしまうものだから。 虚飾の部分を脱ぎ捨て、自分本来の欲望と向き合い、それを受け止めてくれる人たちと安らぎと前向きさに満ちた関係性を作ること。それは弱さではなく強さだと言える気がする。
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大宮 冬洋 :ライター