【全日本相撲選手権】池田俊が大の里以来の連覇達成!史上初2年連続同じ顔合わせの決勝で取り直しの激闘
第73回天皇杯全日本相撲選手権大会が1日、東京・両国国技館で行われた。この大会はアマチュア日本一を決める最高峰の大会。今年の各種大会で好成績を収めたランキング上位の社会人30人、大学生36人、高校生2人の計68人が参加した。 昨年優勝の池田俊(23=ソディック)が2年連続でアマチュア横綱に輝いた。連覇は、同郷・石川県出身の1学年先輩にあたる中村泰輝(現大関・大の里、2021~2022年)以来史上10人目の快挙。「しっかり連覇することができて本当によかった」と喜びを表した。社会人選手の優勝は、2018年の黒川宏次朗以来6年ぶりのことだった。 昨年は金沢学院大の4年生として臨み、今年は社会人1年目。練習は週3回に減ったが、チームメートで昨年のワールドコンバットゲームズ無差別級金メダリストの三輪隼斗(30)らと質の高い稽古を積んで力をつけた。その三輪とチームを組んだ団体戦では、ソディックとして全日本実業団選手権で、石川県として国民スポーツ大会で、日本代表として世界選手権でも優勝。個人では、全国選抜社会人津幡大会、西日本実業団選手権重量級(115キロ以上)、世界選手権無差別級に続いて今季4つ目のタイトルを獲得した。 決勝の相手は、先月の全国学生選手権を制した学生横綱のブフチョローン(日体大4年)。昨年の当大会決勝で対戦した相手でもある。決勝が2年連続で同じ顔合わせになるのは、大会史上初のことだった。その歴史的な決勝は同体取り直しの激闘に。1番目は、池田が立ち合い右に変わって相手の腕を手繰って押し込むところをブフチョローンが土俵際で右から突き落とし。池田は「勝ちはないかなと思っていた。もう一丁あったら思い切りいこうと思っていた」と振り返った。 取り直しの一番は、ブフチョローンが右上手から出し投げで崩して頭をつけて左下手も引いて出るところを、池田が右から突き落としながら体を反らせてうっちゃり。大逆転の捨て身技を決め「かかってよかったです」と安どの表情を見せた。ブフチョローンは惜しくも、2014年の大道久司(現幕内・御嶽海)以来となる同一年の学生横綱&アマチュア横綱の快挙を逃した。 石川県七尾市出身の23歳。大学卒業時にはプロ入りの誘いもあったが、地元企業への就職を選択した。「(元日の能登半島地震で)被災された皆さんに、自分が活躍して元気を届けられたらなと思います」。現在は自身の稽古と仕事の傍ら、週3回子供たちの指導も行っている。今後も地元に貢献しながら、日本のアマチュア相撲界をけん引していく。 ▽決勝トーナメント3回戦(ベスト16) バヤルボルド(日体大1年) 寄り切り 佐藤架月(法政大4年) 児玉亮(拓大3年) 突き落とし 生駒智之(朝日大2年) 宮崎麗(25=和歌山県庁) 引き落とし デルゲルバト(日体大1年) 池田俊(23=ソディック) 小手投げ 行徳康祐(22=東京都) 五島雅治(拓大4年) 寄り切り 北野泰聖(23=アイシン) 福崎真逢輝(鹿児島・樟南高3年) 突き落とし ミャンガンバヤル(東洋大4年) ブフチョローン(日体大4年) 肩透かし 木崎雄也(27=日大職員) 篠侑磨(金沢学院大2年) 上手投げ 菅原悠翔(東洋大2年) ▽準々決勝 バヤルボルド すくい投げ 児玉亮 池田俊 押し出し 宮崎麗 五島雅治 押し出し 福崎真逢輝 ブフチョローン 突き落とし 篠侑磨 ▽準決勝 池田俊 突き落とし バヤルボルド ブフチョローン すくい投げ 五島雅治 ▽決勝 池田俊 うっちゃり ブフチョローン ◇池田 俊(いけだ・しゅん)2001年(平13)10月16日生まれ、石川県七尾市出身の23歳。金沢市立犀生中3年時に全国都道府県中学生大会3位。金沢学院高3年時に国体準優勝。金沢学院大2年時に西日本学生選手権準優勝、西日本学生体重別135キロ未満級優勝、全国学生体重別135キロ未満級3位。3年時に全日本大学選抜金沢大会準優勝、全国選抜大学実業団刈谷大会3位。4年時に全日本大学選抜宇和島大会準優勝、西日本学生選手権優勝、全日本大学選抜金沢大会3位、全国学生体重別無差別級3位、全国学生選手権準優勝。全日本選手権優勝。卒業後はソディックに就職。今年の全国選抜社会人津幡大会優勝、西日本実業団選手権重量級(115キロ以上)優勝、世界選手権無差別級優勝、国民スポーツ大会4位。身長1メートル83、体重130キロ。得意は左四つ、寄り。叔父(母の弟)は大相撲の竹縄親方(元関脇・栃乃洋)。