最善か無か……中間か メルセデス・ベンツ 新型Eクラスが日本上陸
結論として、新型Eクラス(W214)は基本的部分を、(最初から)かなり良い完成度を持っていると思う。それは前のモデル(W213)の延長線上の部分をよりブラッシュアップしたり、ネガをつぶしていったことによる成果と、ややコストダウンしてしまった部分とが両方あったが、それでもW213オーナーが迷うことなく乗り変えても決して失望しないし、安堵する部分も多いものであった。そしてSクラス(W223)とCクラス(W206)のどちらに近いかと言えば、Sクラスの方である。実際にCクラスと比較するとかなり大きな壁があるし、だからこそEクラスの存在意義はちゃんとある、とも思う。
だからこそ、無理やり濃い味のチーズをトッピングしたり、おろしポン酢などをトッピングすることなく、肉の質とデミグラスソースとその調理方法とで、いつまでも同じ味のような味のハンバーグを作り続けてほしい。そんなもの売れませんよと言われたって仕方ないし、そういう価値観はもう時代遅れかもしれないが、年寄り人口が多くなった今こそ、普通に気持ちよく乗れて、誰もが迷うことなく操作できる、安全でシンプルな自動車も欲しい。
これからもEクラスは、乗った者に安心感を自然と与えるような空間でありますように、そして誰もが迷うことなく乗ることのできる定番セダンとステーションワゴンでありますように。もうおじいさんに近くなってきた僕は心からそう願う。
大林晃平