宇都宮ブレックス 藤本光正社長インタビュー「BREX with」で広がる活動の多様性【バスケ】
広がりを見せる「BREX with」の活動
Bリーグの協力の下、リーグで行われている社会的責任活動「B.LEAGUE HOPE」にフォーカス。今回は宇都宮ブレックス(以下宇都宮)のSDGsプロジェクト「BREX with」についてです。 宇都宮ブレックスは理念として掲げる「強く愛されるモチベーションあふれるチーム」を実現すべく、2007年の設立当初より数にこだわって社会貢献活動をしてきました。 そして、その活動は2021年末にスタートしたSDGsプロジェクト「BREX with」によって、正に“BREAK THROUGH(現状を打破する)”と言うべき、広がりを見せています。 なぜ、社会貢献活動を重んじてきたのか? 藤本光正社長にクラブとしての考えをお伺いしました。 ――SDGsプロジェクトの「BREX with」は2021年末にスタートしました。「すべての人に健康と福祉を」「質の高い教育をみんなに」「パートナーシップで目標を達成しよう」という3つのゴールが当面の対象と説明されていますが、具体的にどんな活動になりますか? 藤本)まずBREX withの成り立ちから説明すると、“with=一緒に”というところに狙いがあります。ブレックス単独でも社会貢献活動を行ってきましたが、やはり活動の範囲は限定されてしまいます。事業者、自治体など誰かと一緒に活動することで、より広い範囲の活動ができるという狙いが一つあります。 具体例を挙げると、フタバ食品様とは小学生にリーチして食育をやりたいと考えていて一緒に小学校訪問をする活動をやらせていただいていますし、大塚製薬様とは栃木県・獨協医科大学と産官学のようなスキームで連携し、ロコモティブシンドローム(運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態)を改善する活動を行っています。我々自体が課題と気づいているものとは異なる対象への活動も行いやすくなります。 ――単独での活動をやってきた中で浮き彫りになった課題を解消するための「BREX with」でもあるというわけですね。 藤本)おっしゃる通りです。バスケットボールのクリニックをやったり、お祭りやイベントに駆けつけて盛り上げたりすることにも地域にとってプラスにつながる活動であると自負していますが、さらに社会的にインパクトがあることをやっていくためにも、新たなアイデアも欲しいという状況でした。 もともと企業と一緒に社会課題への取り組みも行っていて、その中で「こういう形が理想的だ」という着想を得て進んだ訳です。 現在「BREX with」はスポンサーシップの商材にも入れているのですが、プログラム化することで話も進みやすくなり、「社会課題を一緒に解決するBREX withは意義深い」という評価もいただいていますし、非常に手応えを感じています。 健康や子どもの教育、社会福祉といった領域が得意な分野になりますが、それ以外のご相談を受けることもあります。我々としては、それを良い形で実現しようというスタンスです。CSRの観点でやるべきことをしっかりやっていますが、その一方でクラブのブランドイメージの向上や認知拡大といったことにつながるという視点も持ち合わせています。