天皇ご一家と那須~リフレッシュと触れ合いの地~【皇室 a Moment】
両陛下は今年“結婚30年”を迎えられましたが、愛子さまが生まれる前は、お2人で那須連山の山々に登られていましたし、皇后さまが独身時代から乗っていた愛車カローラⅡを運転してドライブされるなど、那須の夏を満喫し、さまざまな思い出を作られてきました。
2001年に愛子さまが誕生すると、標高1230メートルの「沼原湿原」へ出かけ、陛下が生後8か月の愛子さまをベビーキャリーに乗せて、今で言う「イクメン」ぶりを見せられたり、「那須どうぶつ王国」で動物たちと触れ合ったり、3人で那須連山の登山をされたりしてきました。
■純真な心を持って…愛子さまの「お印」は那須に咲くゴヨウツツジ
愛子さまは那須御用邸と特別な結びつきがあります。愛子さまの「お印」であるゴヨウツツジです。「お印」は身の回りの品々につける印ですが、ゴヨウツツジは、5月に那須御用邸で白い花を咲かせます。両陛下はこの花がお好きで、純白の花のように純真な心を持って育ってほしい、という願いを込めて「お印」に選ばれました。 最初、「ゴヨウ」と聞いて「御用邸」の“ゴヨウ”を連想しましたが、枝の先に5枚の葉が輪のようにつくので、“5枚の葉っぱ”、「五葉」でした。 ご一家の様子がよくわかる歌があります。2017(平成29)年の歌会始で、「野」というお題で皇后さまが詠まれた歌です。 『那須の野を親子三人(みたり)で歩みつつ吾子(あこ)に教(をし)ふる秋の花の名」(2017年の歌会始 皇太子妃時代の皇后さまの歌)
ハギやオミナエシ、キキョウでしょうか…。この花は、あの花はと、愛子さまに名前を教えながら散策されている情景を詠まれた歌です。那須の記憶は愛子さまの成長につながるのでしょうね。
愛子さまは去年、成年を迎えての記者会見で「長所」を聞かれ、こんな那須でのエピソードを紹介されています。 「強いて申し上げるなら、『どこでも寝られるところ』でしょうか。以前、栃木県にある那須の御用邸に行き、その着いた晩に、縁側にあるソファーで寝てしまい、そのまま翌朝を迎えた、なんてこともございました」 ――こうしたお話しを聞くと親しみがわきますし、那須は愛子さまにとって心からくつろげる場所なんでしょうね。