軽量化&快適性がアップ 新たなゴアテックスを採用したアークテリクスのシェルジャケット
ー他にも「アルファ」や「ソラノ」といったシリーズを展開していますが、「ベータ」とはどういう違いがありますか? アルファはクライミングシーンなど岩場での着用を想定しています。そのため岩との摩擦に対して強度のあるものとなっています。対して、ソラノは谷などの軽登山で活躍する仕様になっており、2レイヤーになっています。ニットジャージのライナーのため、こちらは肌触りが非常に心地よいものに仕上がっています。 ベータはその中間を想定しています。そのため、クライミングシーン以外の幅広い登山シーン、雨天時の登山などでも活躍します。下山後の街でも着用はもちろん可能です。
耐久性を損なわずに軽量化と快適さを実現
いろいろな素材が使われているようですが、GORE-TEX ePEメンブレンの特徴から教えてください。 GORE-TEX ePEメンブレンは、フッ素を使用しないサステナブルな素材になります。弊社でもタウンユースの製品に採用していました。SS24からは登山やハイクを専門とするベータシリーズにも使用する流れとなりました。 背景には、アメリカの一部の州では2026年にフッ素の使用が完全に禁止されることが挙げられます。そこに向けて、各社対応を迫られているところでした。そのようななか、GORE-TEXからフッ素フリーにもかかわらず、従来のメンブレンと同様の耐久性、防風性と透湿性を保ち、かつ大幅な薄さとやわらかさを実現したePEメンブレンが登場したのです。 今回、数々の実証実験をした結果、メンブレンが薄くなったにもかかわらず耐久性はまったく変化していません。むしろ、今まで以上に高まっています。そのうえ、環境にも良いということで、採用することとなりました。
ーメンブレンが薄くなることのメリットを教えてください。 メンブレンが薄くなったことで、表地のデニール数を上げられたので、耐久性が向上しています。従来の「ベータ ライトウェイト ジャケット」は、30デニールだった表地を80デニールに変更したにも関わらず、30グラムほどしか重くなっていません。 驚くべきはベータ ライトウェイト ジャケット同様、SS24よりePEを採用した「ベータ ジャケット」でしょうか。デニール数は変更していないにもかかわらず、重量は395gから340gへと55gも軽くなっています。これはレインウエアとして大きなメリットになります。常に着るものではないので、小さく折りたたむことができ、そのうえ軽量なのでパックパックに忍ばせるには最適です。軽くなった分、食料などの携行品を増やせますし、足取りが軽くなることで、いつもの景色に新たな気づきがあるかもしれません。 ー一方、GORE® C-KNIT™ Backerのテクノロジーとは、どういったものでしょうか。 GORE® C-KNIT™ Backerは糸を丸編みにしているので、タオルのような形状になります。そのため、素肌に触れるとサラッとした感じを得られ、生地自体がしなやかになります。