歴史的建造物の面影を残しつつ、現代的に。一人旅でゆったり訪れたい「京都市京セラ美術館」
◆現代アートに対応した新館「東山キューブ」には屋上テラスも
企画展は本館1・2階の北回廊、南回廊のほか、新館として新たに建設された東山キューブで開催されます。北回廊と南回廊はロの字型の展示空間となり、北回廊の中央にはガラスの大屋根を被せた「光の広間」、南回廊の中央にはオープンスペースの「天の中庭」が設けられ、展覧中に日差しや空気に触れることで、リラックスできます。 訪れた時は、北回廊と東山キューブで、日本上陸60周年を迎えるイタリアのラグジュアリーブランド・グッチの世界巡回展「GUCCI COSMOS」が開催されていました(~2024年12月1日)。東山キューブへと移動する際、ガラスウォール越しに日本庭園が映え、ほっと心が和みました。 東エントランスからは外にも出られるので、鑑賞の合間に庭園を散策するのもいいでしょう。 新館・東山キューブの上部は広々としたテラスになっており、ここから眺める日本庭園と岡崎公園周辺の風景が大変美しく、癒されました。 琵琶湖疏水の水を引き込んだ池泉回遊式庭園は、七代目小川治兵衛が作庭に関わったとされる日本庭園が前身。美術館創設時(1933年)に藤棚などが新たに設けられたそう。四季折々の花木や紅葉が目を楽しませてくれます。 一方、南回廊では、美術館のコレクションも多数展示される企画展「巨匠たちの学び舎 日本画の名作はこうして生まれた」が開催されていました(~2024年12月22日)。 1880(明治13)年に開校した京都府画学校を前身とする京都市立芸術大学が、2023(令和5)年に全面移転した記念に開催される特別展。学校の歴史をめぐりながら、研さんを積んだ47人の画家を一堂に紹介しています。 主な作家は、竹内栖鳳、菊池契月、木島櫻谷、都路華香、村上華岳、土田麦僊、小野竹喬、堂本印象、徳岡神泉、山口華楊といった、近代京都の画壇をけん引してきた、そうそうたる顔ぶれ。彼らの若き日の初期作品から代表作に至るまで、幅広い作品を鑑賞できました。 「巨匠たちの学び舎 日本画の名作はこうして生まれた」 ・会期:2024年10月11日(金)~12月22日(日) <前期10月11日(金)~11月17日(日)、後期11月19日(火)~12月22日(日)※会期中、一部展示替えあり> ・観覧料:一般 1800円(1600円)、大学・高校生1300円(1100円)、中学生以下無料 ※()は前売り。京都市内に在住・通学の高校生は無料