ベッドで寝たままシャワーができる新製品 従業員17人…家電メーカーの挑戦
今回のテーマは、「“ニッポン家電”再び世界へ~密着!小さなメーカーの闘い~」。 東京・台東区にある「シリウス」はわずか17名の中小企業だが、「今ないものを作る」を掲げ、ヒット商品を開発してきた。社長の亀井隆平さんは「三洋電機」の元社員。画期的な製品を生み出してきた三洋電機は、2011年にパナソニックの完全子会社になり消滅したが、亀井さんは三洋電機のものづくりの精神を受け継ぎ、奮闘している。 番組は、そんな亀井さんが「世界中で売りたい」と心血を注ぐ新製品の開発に密着。小さな家電メーカーの挑戦を追った。 【動画】ベッドで寝たままシャワーができる新製品 従業員17人…家電メーカーの挑戦
小さなメーカーが作る「ニッチな家電」
東京・台東区。雑居ビルの中にあるユニークな家電メーカー「シリウス」(従業員17人、平均年齢35歳)。倉庫と製造工場が一緒の中小メーカーで、社名には、数ある星の中でも一番光り輝くシリウス、みんなの道標になりたいという思いが込められている。
シリウスの商品はユニークなものばかり。ペットが汚したカーペットやシーツなどに水を噴射し、汚れを浮き上がらせて吸いとる、その名も「スイトル」は、累計7万台を越すヒット商品に。
コロナ禍に発売した空気清浄機「ウイルスウォッシャー」は、殺菌作用のある次亜塩素酸を水と食塩を入れるだけで簡単に作ることができる独特の機能がウリ。量販店などで、累計4万台も売れている。
シリウスの社長、亀井隆平さん(59)は、日本有数の家電メーカー「三洋電機」の元社員。学生時代から柔道一直線で、25歳の時、三洋にスカウトされて入社。実業団で活躍したが、右膝の靭帯を断裂し、柔道の夢が途絶えてしまう。その後は営業マンとしてまい進していたが、三洋は事業を広げ過ぎて、2011年4月に消滅。パナソニックの子会社になってしまう。 国内外10万人いた従業員のうち、パナソニックに転籍したのは、わずか7000人。亀井さんは誘いを断り、その後、妻・理さんと共にシリウスを営み、10年足らずで年商12億円の会社に育て上げた。「“三洋の血”しか流れてない。三洋の時の発想があるから、こういうものをやろうと思う。家電業界で生きていくしかない」。