眠っているとき以外すべてオン。梅田 蔦屋書店の店長 兼 ひとり出版社代表・北田博充さんの仕事術
眠っているときを除いてすべてオン
──多忙な職業人生のようですが、オンとオフの切り替えで気をつけていることは? 蔦屋書店はおおむね週休2日制で、朝は9時ぐらいから始業。だいたい19時には終わりますが、帰宅後にまた仕事をすることが多いです。 店の仕事とほかの仕事との線引きがあまりなくて、特に終業後の時間帯は両方一緒にしている感じですね。現時点では、本を書く仕事が少し忙しくて、この2年ぐらいはそちらに時間を結構割いています。 会社が休みの日は、スポーツを観戦したり、ライブを見に行ったり、旅行したりとか、いろいろなことをします。けれども、その間も仕事のことが常に頭にあります。休日の体験をビジネスとどうつなげられるかと、いつも考えていますね。 その意味では、オンとオフは切り替えているというより、眠っている時間以外はすべてオンとも言えます。
バラエティに富む相談相手が仕事の大変さを軽減
──仕事をしていて、特に大変なところはなんでしょうか? 会社に雇われて店長として働く以上、収益を追求することはすごく大事です。そのためにかける努力は、ときとして大変と感じることはあります。 もう1つは人材の育成です。ゆくゆくはリーダー格を務められる人材を育てていくのも自分の仕事ですが、そこが一番難しく、苦労していることかもしれないですね。 ただ、CCCで働いていて、助かっている部分もあります。書店でありながら、本のこと以外のプロフェッショナルな人が、すごく多いんです。マーケティング、販促、ITなどプロが揃っていて、私が仕事で行き詰ったとき、内容に応じて相談できる相手がいくらでもいるというのは、とても力強いです。
運がいい人と付き合う
──日頃の情報収集やインプットはどうされていますか? 1つは、本を読むことです。分野を絞らず年間100冊程度は読んでいます。時間的な余力があれば、もっと読みたいのですが、なかなか難しいのが実情です。 もう1つは、人と飲みに行って、いろいろなお話を伺うことです。 この2つは、情報収集としてだけでなく、アイデアを生む方法にもなっています。何かひらめくのは、本を読んでいるときや、人と話しているときが多いのです。特に、話をする相手が、社外の異業種の人だとアイデアがわきやすいし、自分が今抱えてる課題の解決につながる気づきを得られることもあります。 ──ほかの人にもおすすめしたい、良い習慣はありますか? 日頃から、運がいい人と付き合うよう心がけています。 仕事は、何をするかより、誰とするかのほうが、すごく大事だと思っています。その基準となるのが、運がいい人なのです。はたから見ても、運がよさそうな人とか、「自分は運に恵まれています」という人と積極的にかかわるようにしています。