「ごみの多さに気づいてほしい」藤前干潟の清掃活動がもたらす、ごみ拾いの意識改革 伊勢湾流出を止める
国内有数の渡り鳥の中継地として知られる名古屋の藤前干潟で10月19日、周辺のごみを清掃する活動「藤前干潟クリーン大作戦」が行われました。もともとごみの埋め立て予定地だったこの場所を、20年に渡って清掃してきました。そんな歴史ある清掃活動を取材しました。
藤前干潟クリーン大作戦に密着
2004年にスタートした「藤前干潟クリーン大作戦」は、藤前干潟とその周辺の護岸が上流などから運ばれたペットボトルやビニール袋などの大量のごみに覆われている姿を目にした4つの市民団体によって始まりました。現在は15団体で活動しており、清掃するうえで大切な「子どもたちが安心して遊べる干潟や川を取り戻すこと」「流域全体のごみや水のことを考えるネットワークを形成すること」など3つの目標を掲げています。 春と秋の年2回、日本財団が推進する海洋ごみ対策プロジェクト「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」とコラボレーションし、毎年開催しています。 藤前干潟で出るごみの多くはペットボトルや、被膜肥料の殻です。被膜肥料とは、田んぼで使用されるプラスチックでコーティングされた肥料の殻のこと。藤前干潟周辺は、干潟を取り囲むように水田地帯が広がっており、被膜肥料の細かい殻が水田から用水路、そして川へごみとして流れ出てしまうのです。
「藤前干潟クリーン大作戦」が行われるのは藤前会場だけでなく、上流域にある中堤会場など合わせて11会場。参加人数は全会場合わせて1987人という大規模な清掃活動です。この日、取材した中堤会場の清掃活動には一般の参加者や企業で参加している人、行政の人など511人の参加者が集まりました。
奈佐の浜の清掃活動にも参加した岐阜県出身の中学生: 「小学5年生のときに、社会科の授業で奈佐の浜の漂着ごみのことを学習してから興味を持ちました。先週も奈佐の浜の清掃に行っていたんですけど、今日は中堤会場に参加します」 ボランティアの参加者: 「昔は大学の頃にサークル活動の一環で、ボランティアとして参加していました。当時は同じようなサークルの人たちとしか話していませんでしたが、個人で参加するようになったら知らない方と関わる機会が増えたんです。こうした繋がりも良いな、と思って参加しています」