「ごみの多さに気づいてほしい」藤前干潟の清掃活動がもたらす、ごみ拾いの意識改革 伊勢湾流出を止める
まずは斜めになった護岸を降りて、護岸の下でごみを収集。ごみ袋が溜まったら、かごに移し替えます。かごをロープなどで引っ張り上げ、護岸の上で拾ったごみを分別。「可燃ごみ」「不燃ごみ」に分類します。
目立ったごみは500ミリリットルサイズのペットボトル。中には1リットル以上のものも。 参加した子ども: 「お酒とかが入っていたんじゃないかなぁって」
護岸の奥、植物が生えている場所にはさまざまなごみがありました。 ボランティアで参加した一般の人: 「なんで靴がこんな場所にあるのかわからないですね。しかも片っぽだけ。どうやったらなくすんだろう?」
さらにボールのごみも多く見つかりました。 参加したボランティアの学生: 「上流の河川敷沿いで野球をするんですかね? 探しに行ってくれたら、こんなにごみは出ないと思うんですけどね」
「渡り鳥が来る自然を守りたい」藤前干潟は伊勢湾の最前線
約1時間かけて行われた清掃活動。中堤会場では45リットルのごみ袋421袋分のごみが回収されました。中には冷蔵庫を粗大ごみとして回収。ほかの会場にはバイクに釣り竿、タイヤなども見受けられ、全会場を合わせて1028袋分ものごみが集まりました。 ごみの量はその年の天候やタイミングによって変動があるそう。しかしイベント自体の参加人数も増えていることから、1人が拾うごみの量は減っているといいます。
「渡り鳥が来る自然を守りたい」藤前干潟は伊勢湾の最前線
藤前干潟の清掃活動を通じて感じてほしいことや、ごみを減らすために必要なことについて、藤前干潟クリーン大作戦実行委員会事務局の野村朋子さんに話を聞きました。 ―――藤前干潟の清掃活動を通じてどんなことを感じてもらいたいですか 「まずは藤前干潟に足を運んで『こんなにごみがあるんだ』と知ってもらいたいですね。ごみは私たちが生活する中で必ず出てしまうもの。ペットボトルとかビニール袋とか、皆さんの身近な生活から出てきているものが、藤前干潟に大量に流れ着いているんです。『なぜここにあるんだろう?』『どこから出ているのかな?』と考えるきっかけにしてもらいたいです」 ―――どのような思いで、藤前干潟の清掃活動を進めていますか 「ここが伊勢湾の入口なので、藤前干潟のさらに先にある海に流れ出るごみをストップさせたいです。川から海に流れる最終地点なので、そこでキャッチできれば、と。海に流れてしまうと、回収が困難になってしまうので、『最前線にいるんだ』という使命感を持ってやっています」