「知らないおばちゃんとけんかしてママが死んじゃった…」 2歳の息子の目の前で殺害された母親 事件は未解決のまま25年が経過 最愛の人を失った父親と息子は今… 名古屋・西区
懐かしそうにアルバムを眺める高羽悟さん(68)と一人息子の航平さん(27)。2人が見ていたのは、今は亡き高羽奈美子さんの写真です。25年前、奈美子さんが何者かに殺害され、2人の人生は何もかも変わってしまいました。最愛の人を突然亡くした、あの日から25年。事件はいまだ未解決のまま。それでも、父と息子は前を向いて歩み続けていました…。
閑静な住宅街で何が… 息子の前で起きた悲劇
1999年11月13日、高羽奈美子さん(当時32)は、西区稲生町の自宅アパートで何者かに首などを刺され、殺害されました。当時2歳だった航平さんは、奈美子さんが殺害された室内にいましたが、無事でした。 現場のアパートに残されていた血痕と足跡などから、犯人は現在60歳から70歳ぐらいのB型の女とみられています。
なかなか犯人が捕まらないもどかしさを覚えながら、高羽さん親子が未解決事件の遺族らとともに求めてきたのが、殺人事件などの「時効廃止」。事件から11年がたった2010年、法律が改正され「時効」がなくなりました。 当時、時効廃止を受けて会見に出席した悟さんは、涙で言葉を詰まらせながら、このように話しています。 高羽悟さん(当時53)(2010年): 「こういった場面に一緒に立ち会えたことは、本当に良かったと思います。今夜は少し喜びに浸って、明日から犯人を捕まえられるように頑張りたいと思います」 時効は廃止されたものの、奈美子さんを殺害した犯人はいまだ捕まっておらず、25年たっても事件は未解決のまま。
今年10月、現場となったアパートを愛知県警・西警察署の捜査員らが訪れました。事件が風化しないようにと現場を確認しにきたのです。そこには事件後に警察官になった若手刑事の姿も。 悟さんは「ここからうつぶせで、ひざから下が廊下に出ている形で倒れていました」と、今も鮮明に覚えている奈美子さんの変わり果てた姿を、捜査員らに語りました。
いつか犯人が捕まったときに“現場検証”を行うため、誰も住んでいないこの部屋を25年がたった今も借り続けている悟さん。室内には、事件があった1999年のカレンダーや、奈美子さんが着ていた服が残されています。 高羽悟さん(68): 「警察官の方は解決するかどうかわからないような事件を捜査するのはテンションが上がらないかと思いますけど、気力を振り絞ってでも、遺族がいるということで頑張っていただきたい」